【MLB】最終日に“駆け込み補強“が続々成立 インディアンスは元MVPドナルドソン獲得

インディアンスに移籍したジョシュ・ドナルドソン【写真:Getty Images】

昨季はアストロズがバーランダー補強で世界一に、ヤンキースはエチャバリア獲得

 メジャーリーグは8月31日(日本時間9月1日)にトレード期限を迎え、駆け込みで大物選手の移籍が相次いだ。

 7月31日にはウエーバー手続きを経ないトレードの期限があるMLB。だが、実際には8月に入ってからもトレードは可能。ウエーバー公示をしてトレード要員を各球団に明らかにする必要があるものの、活発に取引が行われる。昨年は、アストロズが8月にタイガースからジャスティン・バーランダー投手を獲得。メジャー屈指の右腕は新天地で実力を存分に発揮し、アストロズは球団史上初の世界一に輝いた。

 そして、今季も8月に入ってから補強に動いたチームは多く、最終日となった31日には中地区首位のインディアンスがブルージェイズから主砲ジョシュ・ドナルドソンを獲得した。ドナルドソンは2015年にアスレチックスからブルージェイズに移籍し、同年にリーグMVPに輝いた。今オフに契約満了でFAとなる。

 インディアンスは3年連続地区優勝に向けて、今季も首位を走る。昨季はレギュラーシーズンで圧倒的な強さを見せながら、プレーオフは地区シリーズでヤンキースに敗戦。2連勝したものの、第3戦で田中将大に打線が抑え込まれ、そのまま3連敗で敗退した。70年ぶりの世界一へ、今年も本気だ。

 また、ジャイアンツからアンドリュー・マカッチェン外野手を獲得したばかりのヤンキースは、期限ギリギリでパイレーツからアデイニー・エチャバリア内野手を獲得。遊撃手として圧倒的な守備力を誇るエチャバリアは、今季途中にレイズから戦力外となり、パイレーツと契約していた。ヤンキースはワイルドカードでのプレーオフ進出が確実な状況だが、主力にけが人が出ており、正遊撃手のディディ・グレゴリアスも現在DL入りしている。

ドジャースはベテラン救援右腕獲得、ロバーツ監督「我々にとっていいこと」

 ナ・リーグでもプレーオフ進出へ正念場を迎えるチームの動きが目立った。ブルワーズはナショナルズから先発左腕ジオ・ゴンザレス、ホワイトソックスから救援左腕ハビアー・セデーニョ、ベテラン外野手のカーティス・グランダーソンを獲得。オフにも積極的に補強を行ったブルワーズは現在ナ・リーグ中地区3位で、ワイルドカード争いでも2位とプレーオフ進出圏内につけている。

 一方、首位ダイヤモンドバックスに1ゲーム差のナ・リーグ西地区2位で、ワイルドカード争いではブルワーズを2.5ゲーム差で追うドジャースは、補強ポイントだった救援投手のベテラン右腕ライアン・マドソンをナショナルズから獲得。さらに、期限ギリギリでパイレーツから三塁手のデビッド・フリース内野手を補強した。

 先発投手の前田健太投手を配置転換し、ブルペンを強化するなどしていたロバーツ監督は、通算91セーブを誇る38歳のマドソン獲得について「ロースターの枠を空けなければならなかったが、ライアンを獲得できて嬉しい。このような投手が加わったことは、我々にとって良いことだ。どの時点でも必要な時に登板させたい。彼は重要な局面で投げられると証明してきた。異なる場面で彼を使う。我々は彼を生き生きとさせられるだろう」と喜んでいる。

 昨年のアストロズのように、“最後のピース“を加えて世界一に輝くチームは出てくるのか。シーズン最終局面に注目が集まる。(Full-Count編集部)

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