日綜産業のシステム吊り足場、納入・稼働中現場500件突破

 軽仮設機材メーカー日綜産業(社長・小野大氏)の先行床施工式フロア型システム吊り足場「クイックデッキ」の受注が好調に推移している。14年6月の販売・レンタル開始以来、納入・稼働中の現場は500件を超えた。今年7月に新設した「インフラメンテナンス安全足場工法室」を中心に、発注者やコンサルタント、設計事務所などへの提案営業を強化。設計織り込み受注に注力していく。

 クイックデッキは、04年に米国の仮設機材メーカー最大手セーフウェイ(現ブランド・セーフウェイ)社が開発した。作業床の先行設置やユニットのシステム化などで、安全な簡易施工・解体、工期短縮が可能。最大5メートルの跳ね出しで、これまで困難だった場所にも設置できる。

 日綜産業では、オリジナル製品の持つ基本構造の優位性はそのままに、一部安全性を考慮して同社従来製品の機能や独自技術を組み込んで日本仕様に改良。14年6月から販売・レンタルを開始した。

 当初は橋梁や新幹線などの改修・更新工事が多かったが、最近では体育館や病院、文化施設の耐震補強工事など用途は多岐にわたっている。工場などでは下で作業をしながら天井改修工事ができるメリットもあり、発注者からの評価が高い。旺盛な需要に支えられ、製造拠点の岩間事業所(茨城県笠間市)と八日市事業所(滋賀県東近江市)ではフル生産が続いている。インフラメンテナンス安全足場工法室では、インフラ整備の発注者やコンサル・設計事務所への営業や技術PRを推進。クイックデッキをはじめ、同社製品のトータルコーディネートで設計織り込みの受注に注力する。

 クイックデッキは20日から横浜市で開催されている第55回全国建設業労働災害防止大会の協進会展示会に出展、多くの来場者がブースに詰め掛けた。

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