【MLB】ヤンキース、今オフはFA戦線に積極参戦!? マチャド獲りも…米メディア指摘

ドジャースのマニー・マチャド【写真:Getty Images】

マチャド、コービンの獲得に乗り出すと予想 FAするならカーショーも

 地区シリーズで宿敵レッドソックスに1勝3敗と圧倒されて今シーズンを終えたヤンキース。米スポーツ専門局「CBSスポーツ」公式サイトでは、殿堂球団が来季に向けて抱える課題について特集記事を掲載した。投打ともに課題は山積だが、今季成長した若手や有望株は多数いることに言及。さらに、フリーエージェント(FA)市場で獲得を狙うであろう有力選手や、首脳陣の資質の問題まで、多岐にわたって触れている。

 2009年以来ワールドシリーズ制覇から遠ざかり、今季も100勝してプレーオフに進出したが地区シリーズで敗退。10年も世界一から離れているヤンキースは何を改善すればいいのか。記事では、課題を4つにまとめている。

 最初の課題は、今オフのFA市場でヤンキースが「惜しまずにお金を使うかどうか」だという。今オフはブライス・ハーパー(ナショナルズ)、マニー・マチャド(ドジャース)、パトリック・コービン(ダイヤモンドバックス)らメジャーを代表する選手が数多くFAとなる。これは前年から予測されていたことで、昨オフは多くの球団が支出を抑えた。ヤンキースも例に漏れず、今季年俸総額はぜいたく税支払いの上限である1億9700万ドル(約221億2200万円)を下回る1億7960万ドル(約201億6800万円)で、30球団中6位にまで抑えた。

 記事では、マチャドとコービンはチーム事情にフィットすると指摘。その根拠が、3番目、4番目の課題にかかわってくる。

 3番目の課題とは、CC・サバシアとブレット・ガードナーという、投打のベテラン選手の処遇だ。地区シリーズ第4戦では3回5安打3失点と踏ん張り切れなかった38歳のサバシア、俊足ながら今季打率.236、12本塁打、16盗塁と衰えが見える35歳のガードナーを、球団がどう扱うか。サバシアは今季終了でFAとなり、ガードナーは球団が1250万ドル(約14億円)の契約オプションを持っているが、行使するかどうかは微妙だ。ただ、2人とも投手・野手のリーダーとしての存在感はあり、球団がどんな判断を下すかは興味深いところだ。

 もし現役続行を宣言しているサバシアと再契約しない場合、ヤンキース先発ローテで確実なのはセベリーノと田中将大だけだと指摘。今季不振だったグレイはトレード放出される可能性が高く、途中加入した左腕ハップはFAとなる。その場合、若手有望株に期待すると同時に、FA市場ではコービン、さらには契約をオプトアウトしてFAになった場合のカーショーの獲得を目指すことになるだろう。

守備に難のあるアンドゥハーのコンバートはマチャド獲得の成否がカギ

 4番目の課題は、エンゼルス大谷翔平とともに新人王の有力候補となったミゲル・アンドゥハーの守備力だ。記事によると、アンドゥハーは長打率.520、空振り率10%未満という数字を残しているが、これはベッツ(レッドソックス)、トラウト(エンゼルス)、マチャド、イエリッチ(ブルワーズ)らメジャー屈指の打者10人だけが達成した数字。打撃面での貢献度は文句なしだが、三塁手としての守備はたびたび課題とされてきた。

 そこで記事は、アンドゥハーに三塁を守り続けさせるのか、あるいは一塁や外野にコンバートするかの方針は、マチャド獲得の成否にかかっていると指摘。遊撃手のマチャドは守備の名手としても知られるが、ヤンキースはグレゴリアスが正遊撃手のため、マチャド獲得なら三塁手での起用が有力となり、アンドゥハーの外野コンバートが現実的になるだろうとしている。

 それでは2番目の課題は何かというと、アーロン・ブーン監督の采配能力だ。地区シリーズではレッドソックス打線につかまっていたセベリーノとサバシアを長く引っ張りすぎたとして、記事では「明らかにブーン監督に危機感がなかった。第3戦の過ちを第4戦で繰り返した」と酷評した。

 テレビ解説者から指導者の経験なしにヤンキースを率いることになったブーン監督は、コミュニケーション能力に長けており、レギュラーシーズンではいい仕事をしたが、プレーオフでは判断力のなさが目についたと指摘。監督としての資質があるかどうかを見直す必要があると言及している。

 これらの課題を踏まえた上で、最大の疑問は「フロントが派手に資金を投じ、来季ぜいたく税の規定額を超える許可がオーナーから出るかどうかである」だとしているが、10年もの長きにわたり遠ざかっている世界一奪還は、ヤンキースにとって至上命題。昨オフは比較的大人しかったヤンキースの動向に注目が集まる。(Full-Count編集部)

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