「変なホテル」 ロボットから脱却

 長崎県佐世保市のハウステンボス(HTB)にある「変なホテル」が、目玉だったロボットの数を減らしている。増加に伴い、従業員の手間が増える側面も出ていた。12月には初めて和室を取り入れた第3期棟が完成し、部屋数は全200室となる。宿泊者数は従来の1・5倍となる年間15万人を目指す。大江岳世志総支配人(35)は「『変化し続けるホテル』として生産性を高めたい」と語る。

 2015年の開業時には6種類82体を導入。案内や荷物運搬、清掃など多岐にわたって活用していた。「初めてロボットがスタッフとして働いたホテル」としてギネスの認定も受けた。その後も数を増やし、ピーク時(2017年10月)は27種類243体が稼働していた。

 しかし、従業員の負担を増やすロボットも出始めた。客室に置いた音声認識ロボットは、認識の精度が低く、各部屋からの呼び出しに従業員が対応しなければならなかった。

 開業4年目に入り、メンテナンスも増加。起動やシャットダウンに手がかかることもネックだった。こうした理由により、今年から「ロボットからの脱却」(大江総支配人)を図り、9月現在、16種類85体にまで減らした。

 第3期棟は全て和室で56室。時間がかかっていたベッドメークが不要になった。靴を脱いでもらうことで、清掃時間の短縮にもつながるという。将来的には現金の取り扱いをなくし、キャッシュレス化を目指す。

 大江総支配人は「ロボットもいつかは最先端でなくなり、入れ替えか廃止かを迫られる。従業員の手間がかかるものからなくし、エンターテインメント性の高いものは残したい。方向性としてロボットに頼らずに効率化を図りたい」としている。

変なホテル第3期棟の客室イメージ(ハウステンボス提供)
建設中の第3期棟の前で、「さらに効率化を図る」と語る大江総支配人=長崎県佐世保市、ハウステンボス

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