「子供服レンタル」実は児童買春提供か ネットでの告発きっかけにロ当局捜査

By 太田清

子供服レンタルをうたったサイトのアドレスに表示された写真

 ロシア捜査委員会と内務省は4日までに、撮影などのための子供服レンタルを装いながら実態は児童買春サービスを提供していた疑いで、広告を掲載していたサイト運営者に対する捜査を開始した。タス通信などが伝えた。 

 問題となったのは「CPIDZHAK.RU」というサイトで今年6月に開設されたが現在は閉鎖されている。なぜかこのサイトのアドレスには現在、旧ソ連で50人以上の女性や児童を殺害した事件で死刑となったアンドレイ・チカチロ元死刑囚の写真が「全員食べてやった」とのキャプションとともに掲載されている。 

 疑惑浮上のきっかけは、サイトを見たユーザーがチャットルームなどでその異常さについて告発したこと。ロシアでも子供の誕生日などの記念撮影のため衣装の貸し出しを行うサービスが存在するが、ニュースサイト「ニュース・ルー」によると、同サイトは子供服のレンタルをうたいながら「ズボン」や「ブラウス」などの衣装の区分けは行わず、名前とともに子どもの写真を掲載。 

 ベッドの上で背中をそらせている、ある5歳の女児の写真には、1時間のレンタル料金として10万ルーブル(約17万円)との価格が表示されているが、子供服に関する説明は一切ない。女児が着ている服は、明らかに普段着でブランド品でもなく1時間の衣装レンタルとしては明らかに高額すぎる。 

 広告には「モスクワ、モスクワ州であれば配達します。5時間以上のレンタルで30%ディスカウントします。お支払いは仮想通貨でお願いします」とも書かれている。配達は24時間可能としており、なぜか衣装利用のための「快適な部屋」を用意。「モデル」は女児15人と男児11人だが、衣装レンタルなのに裸のモデルを載せた写真もあった。また、サイトの名称の最初の文字「CP」は小児性愛好者の間で通常、「チャイルドポルノ」を表す略語となっているという。 

 一方、ネット上では、サイトの目的は児童買春提供をえさに小児性愛好者から金銭をだまし取る目的ではないかとの説も流れている。 

 ロシアの児童買春については、かねてから問題となっており、児童の権利に関する国連委員会が今年6月、ロシア政府に対し、児童買春やポルノなどの対策のための法整備を勧告している。 (共同通信=太田清)

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