BTS映画「チェチェン民族を侮辱」 脅迫受け公開中止

By 太田清

韓国の男性音楽グループ「BTS(防弾少年団)」(聯合=共同)

 ロシアのカフカス地方を中心としたニュースサイト「カフカススキー・ウゼル」は6日までに、韓国の男性音楽グループ「BTS(防弾少年団)」のツアーの様子を撮影したコンサート映画「LOVE YOURSELF」の南部チェチェン共和国首都グロズヌイでの公開が、イスラム教徒によるものとみられるネット上での脅迫を受け取りやめとなり、チケットの販売が中止されたと報じた。 

 映画はグロズヌイの映画館「キノスタル」で公開される予定だったが、ロシアのSNS「フ コンタクテ」で「映画公開はチェチェン民族を侮辱するものだ」などとする書き込みが相次ぎ、同映画館は3日、インスタグラムでチケットの販売停止を公表した。 映画のどういう点を「侮辱」に当たるとしているのかなどについて記事は触れていない。

 同じカフカス地方のダゲスタン共和国首都マハチカラでも、同様の脅迫があり、1月に予定された同映画の公開が中止されている。 

 チェチェンはイスラム教徒が多数を占める共和国で、ソ連崩壊に伴い独立を宣言、ロシア政府との紛争が続き、独立派によるテロも相次いだが最近は政情は比較的安定している。 

 BTSを巡っては、メンバーが過去に原爆のきのこ雲がプリントされたTシャツを着用したことが批判され、日本原水爆被害者団体協議会などに対し謝罪に追い込まれる騒ぎも起きていた。 (共同通信=太田清)

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