高校生1万本えんぴつ運動 平和の種まき続けたい

 県内外から寄せられた鉛筆をフィリピンに届ける「高校生1万本えんぴつ運動」で、現地を訪ねたメンバーの報告会が20日、長崎県長崎市内であり「平和の種まきを続けたい」と、継続して取り組む必要性を強調した。
 運動は、2001年の米中枢同時テロをきっかけに、02年から学用品などを贈っている。今年は、高校生1万人署名活動実行委のメンバーで、活水高3年の永石莉里子さんと県立長崎南高2年の宮野春香さん、純心女子高2年の森ひばりさんが4~7日に首都マニラとタガイタイを訪問。貧困者向けの自立支援組織やスラム街を見学し鉛筆を贈ったほか、核兵器廃絶署名にも取り組んだ。
 報告会で3人は、写真や映像を交えて現地での活動を報告。スラム街で貧しい暮らしの子どもたちを目の当たりにし「現状を知ったからこそ、発信していきたい」(宮野さん)、「身近な人たちに経験を話して共有したい」(森さん)と語った。永石さんは「現地で交流して、互いに平和に向かって頑張ろうと思いを一つにすることが大切。平和の種まきをしていきたい」と話した。
 同実行委と共に集めた署名をスイス・ジュネーブの国連欧州本部に届ける第22代平和大使の選考会も20日、本県を皮切りに始まり、高校生23人が参加した。5月まで全国15カ所で選考会を開く。本県選出の2、3人を含め全体で約20人を選ぶ予定。

フィリピンでの活動を報告する(左から)永石さん、森さん、宮野さん=長崎市平野町、長崎原爆資料館

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