生産の一部、追浜移管か ゴーン社長が横浜で会見 

生産の一部、追浜移管か ゴーン社長が横浜で会見 

 日産自動車(横浜市西区)のカルロス・ゴーン社長は15日、神奈川新聞などのインタビューに応じ、フランス政府が親会社であるフランス自動車大手ルノーを介して影響を強めていた問題で、同政府が日産の経営に介入しないと合意に至ったことについて「最終的に共通の理解ができた。重要な節目になった」と話した。自身の後継については「日産の後任は日本人であった方が望ましいと考えている」と明かした。

 ゴーン社長は合意について「日産・ルノー両社が自主性のある経営体制を保ち、相乗効果を生み出すという考え方を、文書化できた」と評価。これを機に「両社の株主や取締役の支持をいただいている限り続けていく」と、経営を担い続ける意向を示した。ただルノー会長でもある自身が2社のトップを兼務する体制について「将来は各社1人ずつが妥当」と述べた。

 将来の日産、ルノーの完全合併については「市場が望んでおり、合併した方が意思決定も楽。だが大事なのは、2社が持続可能な利益を確保し続けること。機能統合は進めるが今は時期尚早」と持論を述べた。

 2020年の日産像について「北米シェア10%以上、トヨタとの差を(現在より)埋めている」とし「自動運転技術や電気自動車で先行したい」と述べた。◆九州工場で生産の車種 追浜工場に移管か 日産自動車(横浜市西区)のカルロス・ゴーン社長は15日、九州工場で生産している車種を追浜工場(横須賀市)を含む他工場に移管する可能性を明らかにした。好調な北米市場向けスポーツ用多目的車(SUV)「ローグ」を、来春から九州工場で補完生産するため。具体的な車種や時期は公表しなかった。神奈川新聞などの取材に応えた。

 ローグは、日本市場などで投入するSUV「エクストレイル」の兄弟車で、米国と韓国で生産している。旧型を含む直近の月販実績は2万台超で推移しており、ゴーン社長は「米国で(扱う日産車種の中で)最も売れている車」と太鼓判を押す。円安の進行で、国内で生産して米国に輸出しても採算の見通しが立ったことから、来春から日産自動車九州(福岡県)で10万台規模で補完生産する計画を立てている。

 同日の会見で好調な北米での取り組みなどを問われたゴーン社長は「問題はローグをもっと(北米市場に)供給しないといけないということ」と強調。「九州工場の車種を、追浜のような別工場に移管することで九州工場の既存の生産能力を使えるようにしようと考えている」と明かした。

 ゴーン社長はさらにローグの補完生産などで「来年度の国内生産は100万台を超えるだろう。その自信もある」と予測。100万台到達は、3年ぶりという。

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