立憲民主党と「危機感」共有 国民民主党代表 玉木雄一郎氏

「与野党ともに変わるべきだ」と語る玉木代表=長崎市宝町、ザ・ホテル長崎BWプレミアコレクション

 国民民主党の玉木雄一郎代表が9日、長崎市内で長崎新聞社の単独インタビューに応じた。7月の参院選や国会情勢、改憲、核問題などについて聞いた。

 -参院選長崎選挙区で国民は白川鮎美氏を擁立。自民党の現職に約3万4千票及ばなかった。
 勝てる選挙区だと捉えていた。惜敗だが、非常によく頑張った。アベノミクスが続いても地方は豊かにならず、潜在的な不満が広がっていたと思う。残念なのは投票率の低さ。全国的には都市部で票が伸びなかった。地方を大切にする党のブランドを確立したい。

 -国会では立憲民主党などと国民の統一会派結成に向けた動きがある。
 参院選では(旧民主党勢力が)立民と分散したデメリットがあった。国民は以前から野党の大きな固まりがないと政権与党に対抗できないと主張しており、参院選後に立民の枝野幸男代表から呼び掛けがあった。大きな固まりにしようという動きは歓迎する。

 -なぜ統一会派結成に向けた動きが生まれたのか。
 参院選でれいわ新選組やNHKから国民を守る党が出てきた。自民に代わるもう一つの選択肢が明確でないと小さな政党に不満・批判票が流れてしまう。政権交代が可能な信頼できる固まりが大事だという、ある種の危機感を立民と共有できていると思う。

 -改憲議論を巡って安倍晋三首相は国民に秋波を送っているが。
 自民が示す9条改憲案には反対。ただ、未来志向の憲法を議論しようという立場で、冷静に議論する場を整えることが重要だ。与党も数の力で強引に押し切ってはいけないし、野党も審議拒否ではなく言論の力で説き伏せるべきだ。与野党ともに変わらないといい憲法議論はできない。

 -改憲勢力の拡大に向け、与党から野党議員の引き抜きがあるのでは。
 仮に数の力で押し切っても国民のみなさんは納得するだろうか。参院選で改憲勢力が3分の2を割ったのは「丁寧な議論をしなさい」という有権者のメッセージ。私は9条に縛られすぎた戦後の憲法議論を解放したい。改憲に触れると「軍備拡張論者」と言われるが、地方自治、解散権、食料安全保障…改憲を議論すべき項目は多い。与野党が冷静に議論するには、9条を一度脇に置くことが必要では。

 -核問題について。
 核兵器禁止条約への批准を政府に働き掛けたい。確かに日本は米国の核の傘に入っているが、現実を理由に諦めることなく理想を掲げ続けることが、唯一の戦争被爆国である日本の役割ではないだろうか。

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