米紙ワシントン・ポスト(電子版)は23日までに、韓国政府が日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄を決めたことを伝える特集記事を掲載。韓国の専門家の話などを引用した上で、協定破棄による「最大の勝者はおそらく、北朝鮮になる」と報じた。
記事は協定破棄について、北朝鮮に関する同盟国間の情報共有が極めて重要と考える米国を失望させたと指摘。「日韓の情報共有は両国のみならず、米国にとっても重要だ。両国に対話を続けるよう求めている」とするポンペオ米国務長官の発言を伝えた。
また、ワシントンに拠点を置くシンクタンク「センター・フォー・ナショナル・インタレスト」幹部のハリー・カジアニス氏がツイッターで「事態はさらに悪化するだろう。両当事者を和解させることができるのは米国のリーダーシップだけだ」として、トランプ政権の仲介を求めたことを紹介。
米国務省の朝鮮半島問題専門家だったミンタロウ・オバ氏が、協定破棄は「何よりも韓国の不利益となる、驚くべき愚かな決定だ。韓国は米国において極めて高い対価を支払うことになる」と、決定が対日本のみならず対米関係においても大きな打撃となるとツイートしたことも伝えた。
さらに、韓国政府系シンクタンクの韓国国防研究院の北朝鮮核計画専門家の話として「北朝鮮がミサイル発射実験などにより軍事力増強を図る中、同国の核抑止の面から(同盟国間の)情報共有の重要性はさらに高まっている。協定破棄は日米韓の安全保障面での協力関係を損なう上、北朝鮮に誤ったシグナルを伝える」と報じた。 (共同通信=太田清)