楽天、来季スペシャルユニ公開で裏話も 守護神・松井の1セーブは「サインミスです」

「スペシャルユニフォーム発表会」に登場した楽天・銀次、茂木、則本昂、松井(左から)【写真:高橋昌江】

則本昂、松井、銀次、茂木がモデルを務めトークショーを開催

 楽天は1日、「楽天イーグルス2020シーズンスペシャルユニフォーム発表会」を仙台GIGSで行った。2020シーズンに着用する「TOHOKU BLUE ユニフォーム2020」、「FANS’ ユニフォーム2020」のデザインを発表。600人のファンを前に則本昂大投手、松井裕樹投手、銀次内野手、茂木栄五郎内野手がモデルを務め、トークショーも行った。

 則本昂、松井の両投手が袖を通したのは、来季6試合が行われる「TOHOKU BLUE MATCH」で着用する「TOHOKU BLUE ユニフォーム2020」。今季に続いて「東北の空」をイメージした東北ブルーがベースだが、来季は東北の青空を舞う犬鷲の軌跡をストライプで表現した。3月に右肘をクリーニング手術して出遅れた則本昂は「今年は東北ブルーのユニホームをファームでしか着られなかった。来年はこれを着て、いっぱい勝ちたいですね」と勝利宣言。身長174センチの松井は「ストライプは身長が高く見えるので、嬉しいです(笑)」と喜び、「背中も見せておきます?」と後ろ姿もファンに披露した。

 スクリーンには、今季の東北ブルーのユニホームを着用した試合で茂木がソフトバンク・千賀滉大投手から放ったホームランの映像や銀次がバスターでサヨナラ打を放ったシーンが流れた。茂木が「美馬(学)さんが完全試合の最中で守備のことばかり考えていた。でも、打った瞬間はすごく気持ちよかったです」と振り返れば、銀次は「小谷野(栄一、前1軍打撃コーチ)さんに『前に出てきたら打っていいぞ』と言われていたので、パッと見たら内川(聖一)さんが視界に入ったので前に出てきていると思ってカーン、と」と回想した。

銀次、茂木は「FANS’ ユニフォーム2020」のユニホームを着用

 5試合開催する「FANS’ MATCH」で着用する「FANS’ ユニフォーム2020」は銀次と茂木が身にまとった。東北・宮城で「伊達の勝色」と呼ばれる濃いネイビーを採用。照明の関係などで遠目には黒色にも見えなくないが、濃いネイビーだと知ると、則本と松井が茂木に接近し、「こっちから見るとネイビー」と角度を変えてチェックした。「渋いというか、こっちもこっちで素敵な色だなと思います」と茂木。銀次も「かっこいい。渋さがあって、強そうなユニフォーム」と歓迎した。

 トークショーでは今季の名場面や迷場面(?)の映像を見ながら、選手がその時の心境などを振り返った。松井に用意された映像は、7月24日の西武戦。1点リードの9回に登板すると、2死二塁で源田壮亮内野手を迎えた場面だった。1ボール2ストライクから投じた外角高めの直球に源田のバットは空を切ったが、嶋基宏捕手が捕球できず後逸。振り逃げになるかと思われたが、ボールはバックネットで跳ね返り、うまい具合に嶋のもとへ。捕球した嶋が一塁の銀次へ送球し、ゲームセットとなった。「ストレートが嶋さんの想像以上だった」と松井はドヤ顔だったが、則本昂が「本当は?」と追及すると「サインミスです!」と潔く認めた。38セーブで初タイトルを獲得したセーブ王に対し、則本昂が「37セーブと、壁が1セーブなんちゃうかな」と突っ込むと、会場は笑いに包まれた。

 そのほか、雪のホーム開幕戦や則本昂の復帰登板、藤田一也内野手の「神の手」でのサヨナラ勝ちなど、印象深い試合で今季の戦いを回顧した。今季は最下位から3位に浮上。来季に向けて銀次は「選手一人一人が日々、努力していくのでまた熱い応援をお願いします。来年は優勝します」と宣言。松井は「このユニホームがラッキーユニホームとなって、縁起のいいユニホームとなるように頑張ります」と力強く誓っていた。(高橋昌江 / Masae Takahashi)

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