客船乗員全検体600人超 4日間で迅速検査 長崎大協力

長崎大などが共同開発した検査システム装置(キヤノンメディカルシステムズ社製)

 クルーズ船コスタ・アトランチカの乗組員の新型コロナウイルス検査では、長崎大などが開発した迅速検査法が導入され、同大熱帯医学研究所がわずか4日間で600人超の検体の検査をやり終えた。
 PCR検査は検体からウイルス遺伝子を抽出する前処理を含めて約5~6時間かかる。一方、同大が「蛍光LAMP法」の原理を活用してキヤノンメディカルシステムズ(栃木県大田原市)と共同開発した検査法は、前処理も含め40分以内で判定できる。
 県内の1日の検査能力は約140件で、クルーズ船以外の検査もある。感染拡大を防ぐため、全乗員623人の検査を急いだ県が同大に協力を依頼。同研究所は21~23日は所員8人、最大280人超を検査した24日は10人体制で、深夜にかけて検査に取り組んだ。
 検査の指揮を執った同大感染症共同研究拠点の安田二朗教授は「これをもう一回やれと言われたら誰か倒れます」と苦笑い。25日に会見した県福祉保健部の中田勝己部長は「多大なる協力に感謝したい」と述べた。
 同大は臨床研究のため、壱岐市や佐世保市などの医療機関にもこの検査システムを配備しているという。

 


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