アドバンテージ感のないホームゲームは当分続く
これも無観客のせいなのか? 自慢の“山賊打線”が鳴りを潜め、本拠地メットライフドームで行われた日本ハムとの開幕3連戦を1勝2敗で負け越した、2年連続パ・リーグ覇者の西武。2年連続本塁打王の山川には3戦を通じて1発が出ず、2-12の大敗となった21日の第3戦は、2回と4回の2度の満塁のチャンスで1点も取れない拙攻ぶりだった。
19日の開幕戦の勝利は、山川のボテボテの適時内野安打や外崎の左肘をかすめる押し出し死球などで挙げた3点を、投手陣の完封リレーで守りきったもの。第2戦は1点しか取れずに敗れた。一昨年も昨年もリーグ最高のチーム打率と最多得点を誇った、西武打線らしさが見えない。特に本拠地ではファンの大声援とも一体になって一気呵成に攻め立てる印象が強いが、無観客の今季はチャンスで攻撃がプツリ、プツリと切れてしまう。
無観客という例年とは違う形でスタートした2020年シーズン。外崎は20日の開幕第2戦でこんなことを口にしていた。
「ええ、そうですね。ここぞという時の、あと1本だとか、ピンチの時のあともう少しの踏ん張りだとか、ファンの皆さんがいればもっと活気づくと思う」
“秋山の後釜”スパンジーは打率.071の不振
そうは言っても、西武は当分メットライフドームに腰を据え、23日からソフトバンクと6連戦、さらに30日からオリックスと6連戦を行う。アドバンテージ感のないホームゲームがいやおうなく続くわけで、その中で打てる手を打っていくしかない。
3試合を終え、中村と並ぶ野手最年長で7番を打っている栗山が10打数6安打、打率6割と好調。対照的に、レッズに移籍した秋山の後釜として1番に抜擢された新外国人スパンジェンバーグは、14打数1安打、打率.071の不振だ。
辻監督は「(スパンジェンバーグは)今は打たなきゃ、打ちたいという気持ちが強いのだろうが、ボール球さえ振らなきゃ、いいものを持っている」とかばったが、場合によっては、早々と打線の組み替えが必要になるかもしれない。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)