チェンジアップが武器のDeNA浜口に「もっとカーブを」 専門家が指摘する配球面

DeNA・浜口遥大【写真:荒川祐史】

140キロ前半止まりの直球「腕を振って投げなきゃチェンジアップも生きてこない」

■阪神 7-6 DeNA(12日・横浜)

DeNAは12日、本拠地の横浜スタジアムで阪神に6-7で逆転負けを喫した。先発の浜口遥大投手が2者連続本塁打を浴びるなど4回8安打6失点と誤算。直球は140キロ前半にとどまり、代名詞のチェンジアップも高めに浮いて痛打された。本調子に遠いことは誰の目から見ても明らかだった。

最大の武器であるはずの球を、ことごくスタンドに運ばれた。1点リードの4回2死一、二塁。中谷将大外野手に1ボールから投じたチェンジアップをとらえられ、逆転3ランを被弾。続くジェリー・サンズ外野手にも高めのチェンジアップを左翼スタンド中段まで持っていかれた。

「浜口と言ったら、やっぱりチェンジアップ」。ヤクルト、日本ハム、阪神、横浜の4球団で捕手としてプレーし、2018年までヤクルトで2年間、バッテリコーチを務めた野球解説者の野口寿浩氏もそう言う。この日は立ち上がりから投げる場面は少なかったため、制球に不安があったと推察するが、根本的な原因は他にあるとみる。

「真っ直ぐが全然きていない。本来なら140キロ後半は出るはずなのに、140キロ前半止まりでした。スピードが出ていないのは、腕がしっかり触れていないということ。しっかり腕を振って投げなきゃチェンジアップも生きてこないし、高めに浮くんだと思います」

「カーブでストライクが取れるなら、四球も減ってくるかも」

まずは直球の立て直しが先決。「真っ直ぐが走っていない原因がどこにあるのか。自分自身で突き詰めてやってくれればいい方向にいくのでは」と言う野口氏は、別の角度からの助言も。この日の登板でわずかに投じたカーブの可能性に触れて言う。

「カーブをもう少し使ってみたらどうでしょうか。あれはバッターにとっては邪魔な存在だと思います。大きな弧を描く球を狙ってうちに行くバッターはどれだけいるかというのを考えると、カーブが効果的に決まれば組み立ても違ってくると思います」

打者の目先を変えることができれば、配球の幅も広がってくる。球数の多さも課題になっているだけに「カーブでストライクが取れるなら、四球も減ってくるかもしれないですし、結果的には球数の削減にもつながってくる」と野口氏は語る。

チームは7カードぶりの負け越し。脳震とうと診断されたタイラー・オースティン内野手が長期離脱の可能性もあるなど野手陣が万全のオーダーを組めない中、この日宮崎敏郎内野手が右手首付近に死球を受けて途中交代。台所事情は厳しさを増すことは確実なだけに、先発陣にかかる役割も大きくなってくる。(小西亮 / Ryo Konishi)

© 株式会社Creative2