連勝止まった楽天、逆転Vの鍵はどこに? 元ヘッドの分析は「打ち勝つしかない」

楽天・浅村栄斗【写真:荒川祐史】

「リリーフ陣が苦しい今、楽天は打線が打ち勝つしかない」

■西武 5-4 楽天(25日・メットライフ)

楽天は25日、敵地で西武に5-4で敗れ、連勝が5でストップした。ソフトバンクとロッテの首位攻防戦で2位ロッテが勝利を収める中、3位楽天はソフトバンクにお付き合い。首位と4.5あったゲーム差を縮めることはできなかった。

現役時代に巨人で活躍し、楽天でヘッドコーチを務めた野球評論家の松本匡史氏は楽天の現状について「リリーフ陣が苦しい今、楽天は打線が打ち勝つしかない」と分析し、ビッグイニングを作るためにも、浅村、ロメロの奮起を期待した。

ここぞで一打が出なかった。5連勝中だった楽天は4-5で惜敗。松本氏は5回2死一、三塁で空振り三振に倒れた浅村の打席をこの日の敗因の1つに挙げた。1点を勝ち越した直後のチャンス。今季ここまで打率.297、28本塁打、86打点と結果を残してきた浅村だったが、西武先発ニールの直球に空振り三振。リードを広げるチャンスを逃すと、チームはその裏に3失点。流れは一気に西武へと傾いていった。

「本来の強い楽天なら、あそこで浅村がヒットや本塁打を打つバッティングをして、一気に何点も取っている。ニールにタイミングが合っていなかったのはあるが、あそこで何とかしないといけない。浅村が打つことによってチームも盛り上がるし、強い楽天になる。今年、楽天が強いのは、1イニングに打線が一気に点を取れているからなんです」

6回も一時4-4の同点には追いついたものの、一気に畳み掛けることはできなかった。無死三塁でロメロが三振。今季ロメロは打率.265、19本塁打、43打点だが、得点圏打率は2割を切る。松本氏は「ロメロはチャンスで打てていないが、打たないと点にはつながらない。好調な時はあれだけ打っていたけど、波が出てしまうと打線が途切れてしまう」と分析する。

打線組み替えの必要性も指摘「勝っていくしかない」

楽天のチーム打率はリーグトップの.260。それでも松本氏が浅村、ロメロに更なる期待を寄せるのには事情がある。「今、抑えのブセニッツも少し不安があるし、リリーフ陣が苦しい状態で安定していない。そうなると、打線が打って勝つしかない。そのためにどうするかですね」と言うのだ。

17日以降は茂木が4番を打っていた楽天打線。だが松本氏は、今後は各打者の調子を見極めた上で、打線を組み替えていく必要があると指摘する。

「茂木が4番を打って連勝していたが、負けてしまったので、これからどうするか。各打者の調子を見て、日々、打順を組んでいかないといけない。チームは今、1試合1試合勝っていくことしか考えていないだろうが、優勝争いに残っていくためには、勝っていくしかない。そのためには打線が打つこと。得点を取って、投手陣に安心感を与えることが大事ですね」

首位ソフトバンク、2位ロッテとそれぞれ6試合の直接対決を残している3位の楽天。残り36試合で逆転Vをつかむためには、浅村、ロメロを中心とした打線の奮起、そしてビッグイニングを作れるかどうかが鍵となっていきそうだ。(Full-Count編集部)

© 株式会社Creative2