残り少ない独身大物歌舞伎俳優になった中村七之助

東京・歌舞伎座で上演中の「十月大歌舞伎」に出演している歌舞伎俳優・中村七之助が7日、同所で取材会を開いた。

歌舞伎座は新型コロナウイルスの影響で2月末から7月まで休演。1889年の歌舞伎座開場以来、戦時中の焼失や建て替え工事を除き、これだけの長期休演は初めて。

各スポーツ紙によると、七之助は、「デビュー以来初めて」という約5ヵ月間の休演中の心境について、「もうできなくなっちゃうんじゃないかと思った。生活には必要ない職業なので、このまま続いたら『これは廃業だな』『寿司屋にでもなろうかな』と思いました」と振り返ったという。

父は亡くなった中村勘三郎さんで兄は中村勘九郎。1986年9月に初お目見え。翌年1月、歌舞伎座「門出二人桃太郎」の弟桃太郎で二代目中村七之助を名乗り初舞台をつとめた。

幼少時より、兄弟の姿がドキュメンタリー番組で取り上げられ、ほっそりとした容姿と、やや寂しげな美しい風情が魅力の若女形として人気を得ることになった。

歌舞伎のみならず、映像作品にも出演。99年のNHK大河ドラマ「元禄繚乱」に親子役で親子出演。父が大石内蔵助、七之助が大石主税を演じた。2003年のハリウッド映画「ラスト サムライ」では明治天皇役を演じた。

「当時はかなり人気でモテモテ。しかしストレスがたまっていてそのはけ口は酒。2005年1月には、泥酔してタクシーに無銭乗車したうえ、運転手の通報で駆けつけた警察官に対して殴る蹴るの暴行を加え公務執行妨害で現行犯逮捕されてしまった。謝罪会見を開きその後、3カ月の謹慎。以後は酒の量を減らして仕事に打ち込んでいる」(演劇担当記者)

兄は女優の前田愛と結婚し2人の子どもに恵まれているが七之助は独身。気が付けば残り少ない大物独身歌舞伎俳優になっていた。

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