西武の高卒2年目右腕・渡邉が手にする「内海ノート」 金言授かり狙う1軍ローテ

西武・渡邉勇太朗【写真提供:埼玉西武ライオンズ】

目指す投手像は「変化球に頼らない投手」、来季の目標は「開幕から1軍ローテ」

西武が2軍選手の奮闘をぶりを特集するシリーズ。今回は高卒2年目の渡邉勇太朗投手だ。

4日にCAR3219フィールドで行われたイースタン・リーグ対巨人戦。先発した渡邉勇太朗は7回途中4失点、9安打、4三振でマウンドを降りた。118球の熱投だったが「まだいける、という感じがあったんです。それが良かった」と手応えを感じた試合を振り返った。

渡邉が目指す投手像は「変化球に頼らない(投手になる)こと」。この日は、序盤から長短打を集められ失点すると、その後はカットボールに頼る場面もあり「直球でもっと押していきたかった」と反省したが、最速148キロをマークした球速には手応えも感じている。

そんな渡邉のロッカーには、1冊のノートがある。「“内海さんノート”です」と笑みを浮かべる渡邉の持つそのノートには内海哲也の金言があふれていた。普段から技術面のアドバイスを受け、練習ではキャッチボールをする仲の2人。たわいもない話から派生した野球の話で、自分の心に留めておきたい大先輩の言葉を渡邉はノートに書き記している。

内海からの金言でもっとも印象に残っているのは「これが完封できる術」

その中でも印象に残っているのが「これが完封できる術」。ノートには「1巡目はこのように、2巡目はこのように……」と1ページの約半分にわたってその術が書かれている。

「確かこの話を聞いたのは残留練習の時だったと思います。(ライオンズ)トレーニングセンターの中でスパイクを履き替えながら内海さんと話をしていたら、こんな話をしていただきました。後からノートに書き留めましたね」渡邉は常に「内海ノート」をロッカーに置きながら、ふとした時にその言葉と向き合う。シーズンも残りわずかだがモチベーションは高い。

「ゲームメイクをする力はついてきていると思います。もっと直球主体の投球をしていきたいですね」と今の課題を口にしながらも、「来シーズンは開幕から1軍ローテーションでまわることができるように。それが一番の目標です」と力を込める。

渡邉がそのマウンドに立つ日は、きっと日に日に近づいているはずだ。ファームでは「今年になって相手打者を抑える術もわかってきたと思います。余裕を持てるようになりました」と話すように精神的にも一回り大きくなった渡邉が、大先輩の助言も手伝って、1軍で大きく羽ばたく姿を楽しみにしたい。

(記事協力・西武ライオンズ広報部)(Full-Count編集部)

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