大学生となった元ロッテ投手 待ち受けていた「想像を絶する困難」とは

元ロッテ投手の島孝明さん【写真:本人提供】

昨年、現役を引退した島孝明さんの連載第2回 入学式が延期に…

こんにちは、元ロッテ投手の島孝明です。私は昨年、ロッテを退団した後、大学に進学して、今、22歳の大学1年生です。新たな一歩を踏み出そうとした途端、新型コロナウイルスの感染拡大で学校は休校。入学式も中止になってしまいました。今回は大学1年生がどれだけ影響を受けたのか、書かせていただきます。

3月初旬に國學院大学から合格通知を受け取り、新生活に向けての準備も着々と進めていたところ、ほぼ同時期に日本においても新型コロナが本格的に流行し始めてきました。当初の私は季節性のものと踏んでいたため、あまり深くは考えていなかったのですが、日々、増加していく感染者数に次第に自身の生活にも影響が見え隠れするようになりました。

まず、最初に受けた影響は、4月に予定されていたオリエンテーション及び入学式が延期されることでした。しかし、日が経つにつれ、新型コロナは猛威を奮っていったため、結局、中止となってしまいました。新しく始まる生活に期待も大きかったので、この決定にはショックでした。また、前期の開始日も未定となり、一人暮らしをする予定で進めていた引越しの日程も白紙となりました。

日々、新型コロナに関して様々な憶測が飛び交う中、次第に私も自粛生活を余儀無くされるようになりました。未知のウイルスにより生活が制限されることは、精神的な負担も大きくストレスの溜まりやすい日々でした。あまりにも余暇がありすぎたため、料理を始め、家族にも時々振る舞ったりしました。とんでもない味付けになることはほぼありませんでしたが、手際よくやることは思っていたよりも大変でした。料理を経験することで、改めて母親の凄さや、これまで毎日作ってきてくれた有り難さを身に染みて感じました。

前期はオンラインでの授業も後期は実技科目等が対面に「新たな交友関係に大学生らしさを体感」

5月に入り大学から前期課程をオンラインで行うとの通知を受けました。感染が収まらない中、外に出ることを躊躇していた自分にとっては嬉しい決定と思っていましたが、実際に始まってみるとそこには想像を絶する困難が待ち受けていました。

大学のオンライン授業に関するニュースにも書いてあるように、極めて多忙な日々が始まることになりました。授業ごとに課題が提示されるため、毎週山積している課題に取り組まなければならず、土日も休めることはほとんどありませんでした。少し前まで余暇を楽しむような生活を送っていたことがが信じられないほど、私の生活スタイルは一変しました。

ただ、授業内容に関してはどれも興味深いものであり、高校以来となる勉強に対して面白さを感じていました。オンライン授業に関するニュースの中には、徹夜をしなければ完成しないものや、生活リズムが乱れ自身の健康状態に異変が生じるなどといった事例が多く紹介されていましたが、それに比べれば私が所属している大学は幾分易しかったのかもしれません。

授業の中には決められたテーマに関して生徒同士が話し合う機会も設けられることがありましたが、一度も会ったことのない初対面の人とオンラインで話すことは、なんとも埋めがたい距離があり違和感を感じざるを得ませんでした。改めて、直接会って会話をすることの必要性を思い知るきっかけにもなりました。

前期は全てオンラインで行われたこともあり、本来期末テストを行っていたものも全てレポートに取って変わりました。これがまた授業ごとの課題と重なり更に負担は増えていくわけでありますが、計画を立て無事やり遂げることができました。高校まで、課題はまとめてやるタイプでしたが、前期のオンライン授業を通して計画的に物事を実行する力も鍛えられたかと思います。

後期は実技科目等が対面で行われることが決まり、ようやく大学生らしい生活がスタートしました。人が集まり自然と会話が生まれていく、そこから広がる新たな交友関係に大学生らしさを体感しています。嬉しいことに、私の存在を知ってくれている人も多数おり、それを皮切りに話しかけてくれることも何度かありました。これから多くの時間を共にしていく仲間たちと、自分がどう変化してくのか楽しみでなりません。(島孝明/Takaaki Shima)

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