阪神藤浪の先発起用の意図はどこに? 専門家は疑問「中継ぎで何か掴みかけていた」

阪神・藤浪晋太郎【写真:荒川祐史】

OBの専門家は「今季最後まで中継ぎで使うべきだったのでは?」と疑問

■阪神 9-1 中日(28日・甲子園)

阪神が28日、本拠地で中日を9-1で下した。ブルペンデーとなったこの日、阪神は藤浪晋太郎投手がオープナーとして先発。4回1失点(自責0)でチームを勝利に導いた。だが、ヤクルト、日本ハム、阪神、横浜で活躍し、18年まで2年間、ヤクルトでバッテリーコーチを務めた野球評論家の野口寿浩氏は「藤浪は中継ぎになって何かを掴みかけていた。来季から先発に戻すのであれば、今季は100%の力で腕を振って投げる中継ぎで最後まで使ったほうがよかったのではないか」と、先発起用に疑問の声をあげた。

藤浪はこの日、3回1/3、5失点だった9月13日の広島戦以来となる久々の先発だった。初回には2安打に味方のエラーも絡み、押し出しで先制点を失ったが、2回以降は得点圏に走者を進めず。4回76球、2安打6奪三振でリリーフ陣にバトンを渡した。最速は158キロだった。

この日の投球について、野口氏は「(中継ぎとして)162キロが出ていた頃と比べて、いいとは言えない。数字だけ見れば4回1失点でいいピッチングだが、首をかしげながら投げていた」と指摘。「以前先発していた時のように、変化球が抜けたり、引っ掛けたりしていて、中継ぎの時よりもそれが多かった」と明かした。

「今季は中継ぎで腕を100%振って投げていて、何かを掴みかけている」

その上で野口氏は「今季は中継ぎで腕を100%振って投げていて、何かを掴みかけている。せっかくいいものが出始めて、いい感じになってきていたのに、この日は球数やペース配分を考えていて、今までの感じではなくなっていた」と分析。ここまでリリーフとして結果を出していた藤浪の、シーズン終盤のこのタイミングでの先発起用に首をかしげた。

「藤浪をこの先どうしたいのか。いろんな意見があると思うが、来季から先発に戻すなら、今季は最後まで中で使って、1回を全力で投げさせたほうがよかったのではないだろうか」

藤浪はこの日76球を投げたことで、しばらくは登板できないため、次回の登板も先発となる可能性が高くなった。そうなると、残りの登板試合は恐らく1試合。野口氏は「先発で使うよりも、極端な話、残り10試合、毎試合1イニングずつ使ったほうが彼のためになるのではないか」と言い「次は本人が勉強して、感じたことが出てくるピッチングになればいい」と話した。

今季、後半戦に入ってから先発からリリーフに転向し、終盤戦は7ホールドと結果を残してきた藤浪。今季の集大成となりそうな次回登板でどんな投球を見せてくれるのか、注目だ。(Full-Count編集部)

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