支援法改正案に抗議 障害者ら3千人全国集会

 国会で審議中の障害者総合支援法改正案に抗議する全国集会が21日、東京都千代田区の日比谷野外音楽堂で開かれた。障害者や支援者約3千人が参加し、改正案は障害者権利条約などに反し、障害者の人権を侵害すると厳しく批判した。障害者自立支援法違憲訴訟団と実行委員会の主催。

 集会では、▽障害者権利条約▽障害者自立支援法違憲訴訟団が国と和解した際の基本合意▽障がい者制度改革推進会議総合福祉部会がまとめた「骨格提言」−の三つが、障害者福祉法制づくりの基本だと指摘。改正案はこれに沿っていないと批判した。

 特に65歳になると原則、障害福祉サービスから介護保険サービスに移行する「65歳問題」を変更せず低所得者救済策を盛り込んだことを問題視。障害者自立支援法違憲訴訟基本合意の完全実現をめざす会世話人の藤井克徳さんは「改正案は介護保険優先原則を固定化。利用抑制と負担増で泥舟になっている介護保険に、障害福祉サービスを統合させようとする移行準備法だ」と危機感を述べた。

 参加者は国会周辺をデモ行進し、厚生労働省に意見書を提出した。

© 株式会社神奈川新聞社