エンゼルスPS進出の条件は?「健康なレンドンだけでは足りない」

データサイト「ファングラフス」では各球団のポストシーズン進出の確率を算出しており、大谷翔平が所属するエンゼルスは地区優勝12.8%、ワイルドカード26.2%、ポストシーズン進出39%、ワールドシリーズ制覇2%という数値が出ている。39%はアメリカン・リーグで8番目であり、ポストシーズン出場が6枠であることを考えると、決して高いとは言えない。今オフ、的確な補強で戦力アップに成功したエンゼルスだが、「ファングラフス」の予想を覆してポストシーズンに進むためには何が必要なのだろうか。

「ファングラフス」の今季のエンゼルスの成績予想は82勝80敗。昨季より9勝アップで2015年(85勝77敗)以来8年ぶりに勝率5割を超えると予想されている。しかし、同地区には昨季王者のアストロズや昨季21年ぶりのポストシーズン進出を果たしたマリナーズがおり、東部地区にもヤンキース、レイズ、ブルージェイズと強豪がズラリ。中部地区のガーディアンズとツインズもエンゼルスより多くの白星を挙げるとの予想が出ており、エンゼルスがポストシーズン進出を成し遂げるためには、これらのチームとの競争に勝たなければならない。

メジャーリーグ公式サイトのトーマス・ハリガン記者は、エンゼルスがポストシーズンに進むために必要な条件として、まず「アンソニー・レンドンが健康にプレーすること」を挙げている。移籍1年目の2020年こそ60試合中52試合に出場してOPS.915を記録したレンドンだが、ここ2年は故障続き。7年2億4500万ドルという超大型契約に見合う働きはできていない。「健康で生産的なレンドンが大谷やマイク・トラウトと一緒にプレーすることは大きな助けになるだろう」とハリガン記者は言う。しかし、その一方で「オフシーズンに獲得した新戦力が機能しない場合、レンドンが健康にプレーするだけでは十分ではない」とも述べている。

メジャーリーグ公式サイトのマイク・ペトリエロ記者によると、昨季のエンゼルスはWAR0以下の選手の出場機会(打者の打席数+投手の対戦打者数)がメジャー全体で6番目に多かった。ペリー・ミナシアンGMはこの課題を解決するために、オフシーズンの補強でハンター・レンフロー、ジオ・ウルシェラ、ブランドン・ドルーリー、タイラー・アンダーソン、カルロス・エステベス、マット・ムーアらを獲得。この6選手の今季の合計WARは8と予想されているが、昨季は合計13.6を記録していた。ハリガン記者は「ポストシーズンに進むためには、新戦力が予想値よりも昨季に近い働きをする必要がある」と指摘する。

要するに、今季エンゼルスがポストシーズンに進むためには、レンドンが健康にプレーし、なおかつ新戦力が期待通りの働きをすることが必要ということだ(大谷やトラウトが実力通りに活躍することは大前提)。大谷のFA前ラストイヤーという重要なシーズンに、エンゼルスは予想を覆してポストシーズンに進むことができるのだろうか。

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