<金口木舌>朝活でまちづくり

 うるま市大田の交差点に、40年以上鎮座した「大シーサー」をご存じだろうか。重さ約3トンのシーサーは老朽化を理由に先月から撤去作業が始まった

▼台座には時代の移り変わりとともにさまざまなメッセージが記された。最初は観光を盛り上げようと「めんそーれー具志川」。その後「火の用心」「交通安全楽シ~サ~」などと変わりながら、市民を見守ってきた

▼造ったのは当時の具志川市商工会青年部。1977年に青年部設立を記念し、建築、型枠、鉄筋などの技能を持つ青年が結集。出勤前の朝6時から8時まで、延べ280人が約半年間作業に携わった

▼現代では「朝活」と言うのだろうが、初代青年部長で後に県議なども務めた上原政英さんは「あの頃は朝活はおろか、ボランティアという言葉もほとんど使わなかったね」と笑う。形容する概念はなかったが、参加者に不思議な結束力が生まれて楽しかったそう

▼個人のスキルを磨く朝活もいいが、皆で大事に挑む朝活もエネルギーを生みそうで良い。思わぬ副産物で街づくりも盛り上がりそうだ。

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