秦野特産「八重桜」守る 地元渋沢小5年生が祭り 壁新聞や紙芝居で歴史と現状伝える

クイズで八重桜の歴史や現状などを伝える児童ら=秦野市渋沢上

 生産者の高齢化や担い手不足に直面している地元特産の八重桜を守りたいと、神奈川県秦野市立渋沢小学校5年の児童が25日、渋沢公民館(同市渋沢上)で「八重桜祭り」を開催した。歴史や現状など授業で学んできた内容を壁新聞や紙芝居などに仕立て、学習の成果を披露した。

 昨年4月から、1組と4組の児童ら計66人が総合学習の時間に「地元特産の八重桜を守る」をテーマに取り組んできた。市内の千村地区では江戸時代末期から八重桜栽培が始まったとされ、現在は2500本ほどが育てられ、国内収穫量の約8割を占めるという。

 児童らはこうした歴史に加え、農家の高齢化や後継者不足など課題を学び、「守るには地域の人に知ってもらうのが一番」と、祭りを集大成として企画した。

 会場では、壁新聞やクイズで現状を知らせ、オリジナルゆるキャラらとタイムスリップする紙芝居で歴史を紹介。児童たちが作ったレシピ集の配布や、レシピを基に地元ケーキ店が開発した八重桜を使ったマカロンの販売も行われた。

 保護者の森徹郎さん(53)は「地元の名産としか意識してなかった。地域で守らなければと気付かされた」と感心した様子。レシピ集作成に携わった河又憩さん(11)は「これからも八重桜の存在を伝え続けて、みんなで守りたい」と話した。

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