横浜・関内の老舗ジャズレストラン「Bar Bar Bar」 3月閉店、移転へ

移転のため来月15日で営業を終了する「Bar Bar Bar」の現店舗=横浜市中区

 横浜市中区の老舗ジャズライブレストラン「Bar Bar Bar(バー・バー・バー)」が来月15日、移転のため現店舗での営業を終了する。横浜のジャズ文化を発展させた故・鶴岡博さんが創業し、名だたるアーティストが演奏してきた名店として知られる。合言葉のように「ジャズを横浜の観光資源にしよう」と言っていた鶴岡さんの遺志を受け継ぎ、新店舗を5月にも近くにオープンする。

 同店は1984年に創業。戦後、日本に駐留する米軍の関係者を相手にする店舗が立ち並ぶ横浜の街でジャズを身近に感じながら暮らし、後に横浜ジャズ協会を立ち上げる鶴岡さんが始めた。現在は、支配人として長く店を支えてきた竹内眞澄さん(54)が営んでいる。

 店舗は、バーカウンターの縁に真鍮(しんちゅう)を用いたり、壁に間接照明を取り付けたりと、随所にこだわりが詰め込まれている。竹内さんによると、米国から訪れた客が「ニューヨークにありそうな店」と話していたという。

 開店当初の店舗は1階だけで、バーの片隅でジャズの演奏が行われていたが、後に2階にジャズライブを楽しみながら食事ができるスペースを設け、北村英治さんやウィントン・マルサリスさんなど著名なアーティストが演奏を重ねてきた。

 そんな名店も、新型コロナウイルス禍の2020年4月以来、2階を閉めたままとなってきた。竹内さんは、「いつか再開させなければいけない」と模索しながらも、難しい状況が続いてきたと話す。

 そんな中での移転を前向きに捉え、新店舗ではバーカウンターを縮小する一方、ライブレストランを中心に据えた。「このままずっと休んでいるんだったら、場所を変えてもライブをやった方がいい、という常連客がほとんど」。移転後は、営業する日は毎晩ライブを開催する。 

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