日本学術会議法改正は熟慮を ノーベル賞、フィールズ賞受賞者8名が声明

青色LEDに必要な高品質結晶創製技術の開発で2014年にノーベル物理学賞を受賞した名古屋大学の天野浩特別教授らノーベル賞、フィールズ賞の受賞者8人が、政府で進められている日本学術会議法改正の熟慮を求める声明を発表した。

声明を発表したのは天野特別教授のほか、ノーベル賞受賞者の大隅良典東京工業大学栄誉教授、小林誠名古屋大学特別教授、白川英樹筑波大学名誉教授、鈴木章北海道大学名誉教授、野依良治名古屋大学特別教授、本庶佑京都大学名誉教授と、フィールズ賞受賞者の森重文京都大学名誉教授。

声明によると、8人は日本のナショナルアカデミーである日本学術会議と政府が2020年の菅義偉首相(当時)による一部会員任命拒否をきっかけに対立する中、政府が進める日本学術会議法の改正が日本学術会議の独立性を損なう恐れを持つとして、性急な法改正を再考して日本学術会議と議論を重ねるよう要請している。

政府が検討している法改正の内容は会員の選考過程を第三者委員会でチェックするというもので、第三者機関の透明性確保や研究機関の改革案を研究者や国民との意見交換がないまま、政府と自民党だけでまとめたことに対する疑問や不満が日本学術会議の会員らから上がっている。

参考:

【日本学術会議】ノーベル賞受賞者とフィールズ賞受賞者による声明「日本学術会議法改正につき熟慮を求めます」が、令和5年2月20日、梶田隆章会長宛に届きました(令和5年2月22日)(PDF)

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