引退撤回の元エンゼルス・バットリー アストロズ入団の理由を語る

現在29歳のタイ・バットリーは2019年に72試合、短縮シーズンの2020年にも27試合に登板するなどエンゼルスの主力リリーバーとして活躍していたが、2021年4月に「燃え尽きた」として突如現役引退を発表した。その後、ネガティブなことばかりに目を向けるのをやめ、野球が自分に与えてくれたものに感謝するようになり、引退を撤回して昨季はエンゼルス傘下のマイナーAAA級でプレー。今季はアストロズとマイナー契約を結び、2020年以来3年ぶりとなるメジャー復帰を目指している。

バットリーは昨季終了後、サンディエゴで個人コーチ業を営んでいるダグ・ホワイト(2019年エンゼルス投手コーチ)と再会。月に1度、自宅のあるノースカロライナ州からホワイトのもとに通い、1月には98マイルの速球を取り戻した。ホワイトは「各球団に連絡してプレーできる場所を見つけてあげるタイミングだ」と考え、2018年にブルペンコーチとして在籍していたアストロズと接触。バットリーは2月1日(現地時間)にアストロズとマイナー契約を結ぶことになった。

バットリーは新天地としてアストロズを選んだ理由について「僕はもっといい投手になりたい、どれだけいい投手になれるかを確かめたい、と思っていた。そのためには最高の選手たちとプレーする必要があった」とコメント。「それが契約の決め手だった。ロースター争いは他の球団よりずっと難しいものになるだろう。でも、達成したい目標のハードルを上げ、それに挑戦したいと思っている」と困難な目標がモチベーションにつながっているようだ。

アストロズは球界最高のブルペンを誇っており、バットリーが開幕ロースター入りを果たすのは現実的な目標ではない。オープン戦でかなりの好成績を残さない限り、マイナーAAA級で開幕を迎えることになるだろう。それでもバットリーは「もし球速を取り戻し、自分のピッチングをすることができれば、メジャー昇格のチャンスがあると思っている。球界最高のブルペンの一員になれないわけがない」と前を向いている。1度は離れた球界に戻ってきた29歳の右腕の新たなチャレンジに注目したい。

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