それ、デートDVかも 横浜市が若者向けチャット相談窓口 「嫌と言ってもいいし、逃げてもいい」

相談画面のイメージ(横浜市提供)

 交際相手からの暴力である「デートDV(ドメスティックバイオレンス)」への対策を強化しようと、横浜市が若年層を対象にしたモデル事業を実施している。今月からチャットでの相談窓口を開設するなど支援体制を強化し、被害の防止につなげたい考えだ。

 「集まりって何。まさか行く気じゃないだろうな」

 デート中のカップルの会話を題材に、寸劇が始まった。男友達と偶然会った彼女役を、不機嫌な彼氏役が問い詰める。「俺がいるのに何でそんなことをするんだよ!」

 2月27日、事業の一環として市立芹が谷中学校(同市港南区)で3年生約80人を対象に出前授業が開かれた。NPO法人「エンパワメントかながわ」の阿部真紀理事長が講師を務める。

 阿部理事長は2人の気持ちを想像するよう促した後、3種類の図をスクリーンに映した。2色の円同士が接するものと一部が重なるもの、片方の円の中に小さくなった円が入り込むもの。2人の関係はどれに当たるか問いかけて、続けた。「重なったり、入り込む関係になっていたりしたら、デートDVかもしれません」-。

 デートDVは身体的な暴力だけでなく、同意のない性的な行為や行動制限なども該当する。阿部理事長は、自分が悪いと思わされるのも暴力の特徴といい、「嫌と言ってもいいし、逃げてもいい」と訴えた。強調したのは、どんな理由があっても暴力を受けていい人はいないということだ。「自分で自分を大切にしていいんだよ」と授業を締めくくった。

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