ドジャースの新戦力・シンダーガード 昨季落ちた球速の回復に自信

トミー・ジョン手術によって2020年シーズンを全休し、2021年もわずか2試合のリハビリ登板にとどまったノア・シンダーガード(ドジャース)は、昨季エンゼルスとフィリーズで合計10勝を挙げた。ところが、以前のような100マイルの豪速球はよみがえらず、フォーシームの平均球速は94.1マイルどまり。シンダーガードはフォーシームで押す投球ができず、シンカーボーラーへの転向を余儀なくされた。ドジャースに移籍した今季は球速の回復を目指しており、「100マイルに戻れない理由はない」と自信を見せている。

シンダーガードは日本時間3月1日のレッズとのオープン戦で初登板。2イニングを1安打無失点に抑え、速球は93マイルを計測した。昨季の平均が94.1マイルだったことを考えれば、オープン戦の最初の登板で93マイルが出たことは好材料と言えそうだが、シンダーガード自身は93マイルしか出なかったことが意外だったという。しかし、「それが努力を続けるモチベーションになる。あまり心配していないし、もっと球速が出ることはわかっている」と前向きだ。

メッツ時代のシンダーガードは平均98マイル、最速100マイルの豪速球で押すパワーピッチングが魅力だった。新天地としてドジャースを選んだのは、投手の育成術や再生術を気に入ったからであり、ドジャースの指導を受けて球速を取り戻すことができれば、10勝10敗、防御率3.94だった昨季以上の好成績を期待できるはずだ。まだ30歳であり、次のオフシーズンに好条件の複数年契約を得ることも不可能ではないだろう。

今季のドジャースはウォーカー・ビューラーがトミー・ジョン手術のリハビリで全休する見込みのため、その代役としてシンダーガードやダスティン・メイにかかる期待は大きい。同地区ライバルのパドレスが大型補強を進めているが、クレイトン・カーショウ、フリオ・ウリアス、トニー・ゴンソリン、シンダーガード、メイの5人が大きな故障なく稼働できれば、ナショナル・リーグ西部地区の覇権は維持できるはずだ。

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