未来の多摩川、壁画に描く 川崎の廃業パチンコ店舗で児童、アート企画に挑戦

5年生が思い思いに描いた壁画アート=川崎市中原区

 「未来の多摩川」をテーマに川崎市立平間小学校(同市中原区)の5年生88人が2日、壁画アートに挑戦した。会場はJR南武線平間駅近くの平間銀座商店街にある廃業したパチンコ店舗内。児童はペンキを入れた紙コップに筆を浸し、多摩川の環境を想像しながら、初めての壁画アートを完成させていった。

 児童は総合的な学習の中で、多摩川の干潟で体験活動をし、多様な生き物に驚き、ごみの多さにも気付いた。地域にも伝えようと、ごみ拾いや商店街でポスターの張り出しなどの協力を依頼するなどして取り組んできた。感銘を受けた同商店街振興組合の石井雄介理事長(55)は、「協力できることはないか」と考えた。

 芸術の魅力を伝えようと活動している同区の団体「BEHIND THE WALL」が、同廃店舗内で壁画アート作品を公開する企画「Wallternatives」を主催していた。石井理事長は壁面の一部を使わせてもらえるよう声をかけ、実現した。

 児童には横約10メートル、高さ約2.5メートルの壁面が用意された。事前に多摩川が描かれたその壁面でカメやマンボウ、木々などさまざまなイメージを直接手で色を付けたりしながら表現していった。

 「多摩川が、ごみがなくもっときれいで、生き物がたくさんいる」。長田祐花さん(11)はそんな多摩川の未来を思い、筆を執った。挑戦を振り返り、「また描きたい」と相好を崩した。

 壁画アートは4、5、11、12日の4日間で公開。一般500円、高校生以下無料。

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