カブス・鈴木誠也 開幕微妙も球団は再発防止優先で復帰を急がせず

カブスの鈴木誠也は左腹斜筋を痛めてワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の出場を辞退した。ジェッド・ホイヤー編成本部長は「シーズン開幕の前後には多くの間違った決断がなされると思う。開幕日はただの1日に過ぎないのに、人々は無理に間に合わせようとする」とコメント。「彼が開幕に間に合うなら、もちろん素晴らしいことだが、我々はそれを気にしているわけではない。一番重要なのは完全に健康な状態になることだ」と語り、故障の再発を防ぐために戦列復帰を急がせない方針であることを明言した。

鈴木はオフに20ポンド(約9キロ)近く増量してキャンプ地に現れた。スプリング・トレーニングの調整も順調にこなしていたが、左腹斜筋を痛めて日本代表の一員としてのWBC出場を辞退することに。ホイヤー編成本部長は「シーズン中に起こるよりもよかった」とポジティブに捉えており、「冬のあいだにいくらラインナップを予想しても、シーズン中にその通りになるわけではない。故障は常に発生するし、それに対応できるように選手層を整えているんだ」と冷静に話した。

鈴木の状態は「中程度」の左腹斜筋痛と発表されている。この「中程度」がどれくらいのダメージを表すのかは不明だが、レイズの右腕タイラー・グラスノーは3段階のうち「グレード2」の左腹斜筋で戦列復帰まで6~8週間を要する見込みだという。もし鈴木がグラスノーと同程度の左腹斜筋痛を抱えているのであれば、今月末の開幕戦に出場するのは難しいだろう。最短でもシーズン開幕から2週間ほどを欠場することになりそうだ。

鈴木の故障がスプリング・トレーニング中だったことは、カブスにとって不幸中の幸いだと言える。鈴木が欠場する試合数はそれほど多くならない見込みのため、カブスは鈴木の穴を現有戦力で埋める方針だ。デービッド・ロス監督はマイナー契約の招待選手としてスプリング・トレーニングに参加しているマイク・トークマンを高く評価しており、トークマンが鈴木の代わりに開幕ロースター入りを果たすことになるかもしれない。

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