これぞフットボール! 冨安が驚く「英スタジアムが盛り上がる”瞬間”」

マンチェスター・シティ戦での冨安 @Getty Images

マンチェスター・シティ戦での冨安(Getty Images)
アーセナルの冨安健洋がイングランド・プレミアリーグの公式インタビューに答えた。

同クラブでの公式戦50試合出場を控えたカメラ前での時間。3月2日(日本時間)のプレミアリーグ第7節延期分エバートン戦への出場は叶わず”記録達成”とはならなかったものの、その際の内容が日本のメディアでも話題になっている。「エミレーツ・スタジアムで驚くこと」を明らかにしたのだ。それは「自チームの失点の際」だという。

――エミレーツ・スタジアムとアーセナルサポーターについての話をお聞きします。初めてここに来た時「雰囲気に驚いた」と言っていましたね。 今年はその雰囲気がより良くなっていると思いますか?

「以前よりいいと思います。 特に私たちが失点した時、スタンドはより盛り上げてくれる。 一般的にホームゲームで失点するとボルテージが下がりますが、エミレーツ・スタジアムでは逆です。 アーセナルのファンは私たちにいつもエネルギーを与えてくれます。 すごいファンだと思います。『トップ』のファンです」

動画:確かに先日のマンチェスター・シティ戦でのバックパスミス後のシーンを別角度から見ても、「失点後」に大きな歓声が上がっている。

本来、ヨーロッパのファンはホームチームにも厳しいものでは? もう20年も前の話になるが、2003年にJリーグ京都サンガF.C.からオランダに渡った当初の韓国代表パク・チソンは、PSVのファンがホームスタジアムで自分に厳しいブーイングを向けるのが本当に辛かった、という。「Jリーグだったらありえないこと」と自叙伝に記している。

この背景について、日本在住の英国人サッカー記者、キャロル・ショーン氏はこう解説する。

「今、アーセナルのチーム状況がとても良いということの証です。シーズン前はあまり優勝争いは予想されていなかった中で首位にいる。だから『失点しても頑張ろう』という声が上がる。確かに『イングランド(ヨーロッパ)は自チームにも厳しい』という面はありますよ。同じアーセナルでもベンゲル監督時代の末期には失点後に監督にブーイングを浴びせた。それまでは良い時期があったにもかかわらず。シンプルに『良ければほめるし、悪ければブーイング』ということ。日本でも浦和レッズのサポーターなどに近い雰囲気を感じます」

優勝争いが続く中、冨安はチャンスを待つ時が続く。このいい雰囲気に身を置いている体験もまた、日本サッカーの血となり肉となる。

インタビュー時の動画はこちら

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