英紙・テレグラフは28日、チェルシーのグレアム・ポッター監督の「監督生命」があと2試合と予想した。
「リーズ・ユナイテッド戦、ドルトムント戦はポッター監督にとって今後も監督を続けられるかどうかが決まる、極めて重要な試合だ。両方とも敗戦となれば監督更迭がいよいよ決定的となるだろう」
盤石かのように思えたチェルシー首脳陣とポッター監督。シーズン開幕後の9月に三笘薫も所属するブライトンからヘッドハンティングするほどの信頼関係だったが…
3月5日未明(日本時間)に行われるプレミアリーグ第26節リーズ戦、そして、8日(同)に予定されているUEFAチャンピオンズリーグ(CL)ベスト16を懸けたドルトムント戦にも敗れると「いよいよ監督更迭が濃厚」と伝えた。
一時は常勝軍団とも言われたチェルシーだが、今シーズンの成績は悲惨というほかない。3月3日現在までに8勝7分9敗で勝率5割にも届かず、プレミアリーグでの順位は10位にまで落ちている。
得点力低下も著しい。
直近の3試合では無得点。過去6試合で見てもわずか1ゴールとなっており、勝利も手にできない。1月15日のリーグ戦第20節のクリスタル・パレス戦(1―0)以降勝ち試合がないというのだから、"王国"の凋落はリアルな話だ。
その間、リーグ20位で降格圏のサウサンプトン戦では0―1で敗れたほか、直近のトッテナム戦では0―2で完敗。トッテナム戦はロンドンダービーとして注目が高まっていたが、内容、結果ともに到底満足のいくものではなかった。
チェルシーは昨年の夏、冬で移籍選手の獲得だけに500億円を超えるとされる投資を行っており、サポーターの怒りは度々沸騰する。ファンから監督更迭の声が盛り上がる度にフロントはこう擁護してきた。
「長期的計画の下にポッター監督を任命した。今季途中の更迭はあり得ない。彼のサッカー哲学がチームに反映されるまでに時間が必要だ」
チェルシー内部では2022年から23年にかけウクライナ情勢が絡んだ複雑なオーナーの交代劇があり、一部からは「内情が不安定な割には成績は落ち込んでいない」と評価する声も上がっている。
しかし、チーム力低下がこれほど明らかになり、選手間でも不協和音がささやかれればフロントも別の判断をしなければならない。
巨額のコストを投じて新たに獲得した選手たちは、分厚すぎる選手層のせいで試合に思うように出場できず、試合に出れば過度のプレッシャーが掛かる。強いストレスを感じている状況だ。
そんな状況下で、降格圏前後にあるリーズ・ユナイテッド(17位)に敗れ、さらにドルトムントにも敗れてCLからも去るとなればポッター監督の進退論を越え、常勝軍団としての「チェルシー・ブランド」にも傷が入りかねない。
テレグラフは「ポッター監督はもはや、首脳陣、選手、ファンたちからすでに信頼を失い、見放され始めている。首脳陣の我慢もいよいよ限界なのではないだろうか」と伝えている。