「なつお」の挑戦 滝澤夏央選手の活動報告〈10〉さらなる成長へ決意 走攻守 課題に取り組む

 全球団が春季キャンプを終え、各地でオープン戦が行われているが、2年目を迎えた滝澤夏央の姿は所沢にあった。
 「昨年、1軍で試合出場する機会がありましたが、すべてにおいて足りていないと思ったのが正直な感想です。気持ちとしてはA班の環境で野球をしたいというのが本音だったので、キャンプはB班だと通達された時は悔しい気持ちがありました。でもその分、結果を出してアピールしなければいけないと強い気持ちを持てたのも事実です」と明かしてくれた。
 そしてオフの期間、地元で多くの取材を受けた滝澤が今季の目標として毎回色紙に書いた言葉が、「走攻守、すべてにおいてレベルアップ」だった。
 まずは「走」。スピードを生かしたプレーというのが持ち味であるが、キャンプ期間中にスプリントコーチの秋本氏に走り方を教わり、「足は持ち味ですが、昨年は全然盗塁ができませんでした。足があっても勝負どころで走れなかったら意味がないので、0・1秒でも短くするために、基本的な姿勢や帰塁時の無駄をなくすこと、1歩目の重要性を教えてもらいました。今も練習に取り入れています」と、さらなる強化に取り組んでいるという。

走攻守の「走」(打撃後)。すべてにレベルアップを掲げて取り組む(いずれも球団提供)

 続いて「攻」。体が小さい滝澤は、打球を飛ばすパワーが周りの選手と比べると劣ってしまう。「体が小さいことを不利だとは思っていませんが、小さいなりのバッティングというのもあると思うので、たくさんヒットを打つこと、とにかく出塁して嫌な走者になるというのが、自分の目指す打撃スタイルかなと感じています」と、自分の特長を生かしてアピールするつもりだ。

走攻守の「攻」

 最後に「守」。キャンプ期間中は守備練習に時間を割いたという。たくさんのノックを受け「しんどかったけど、その日の目標を持ってやるので、終わった後の達成感や充実感が気持ち良かったです」と教えてくれた。例えば、捕球時に右に流れてしまう癖があるので、右足に意識を置いて練習をしたり、ある日は右側の打球ばかりを受けたりと、「本当に小さな目標を毎日毎日達成していったので、モチベーション高くできました」と振り返る。

走攻守の「守」

 開幕1軍は当然目標としているが、思い切りの良さとスピード感という軸は変えずに今、自分が持っているものをアピールしていきたいという。「もちろん1軍で活躍するのが目標ですが、将来的には源田さんを追い越す気持ちでやっているので、1軍に昇格できたから良いということではなく、将来レギュラーを取るために、全てをレベルアップするぞというモチベーションで日々取り組んでいます」と、高い目標があることを教えてくれた。
 地元の方へは「いつも応援してもらっているので、何とか1軍で活躍する姿を見せたいという思いが強いですし、それが一番の恩返しになると思っています」という思いを述べた。
 1年目は全てが初めてだった経験も、数を重ねていくことになる。これまでの経験を生かし、さらなる成長を遂げていく滝澤が今から楽しみだ。(西武ライオンズ広報部)

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