お墓にも資材高騰直撃 藤沢市が墓園整備計画を見直し 需要高い立体墓地新設先送り、合祀墓のみ建設

約36万8千平方メートルの広大な敷地を持つ大庭台墓園=藤沢市

 藤沢市大庭台墓園(同市大庭)に新たな立体墓地と合祀(ごうし)墓を一体的に整備する計画を巡り、市は立体墓地の新設を先送りし、合祀墓のみを建設することを決めた。資材価格の高騰で概算工事費が約42億円に達する見通しになった。高齢化が進み、亡くなる人が増える「多死社会」の到来を見据え、市は今後、20年間の墓地需要に対応できる区画の確保を目指していたが、想定を超える物価高騰で計画の見直しを余儀なくされた。

 市は2021年3月、大庭台墓園立体墓地再整備基本構想を策定。需要が高まっている立体墓地(普通納骨壇3千区画、集合納骨壇1千区画、合葬納骨壇1万5千区画)、と25年度から合葬納骨壇からの改葬が必要になる合祀墓(2万体)を一体的に整備する計画を打ち出した。

 同墓園は1970年に開設し、平面墓地は94年に利用区画が一定数に達したため、定期的な募集の受け付けを終了。新たな墓地需要に対応するため、95年度には立体墓地を新設し順次、普通納骨壇、集合納骨壇を増設し、それぞれ全3884区画、全816区画を確保。2004年には合葬納骨壇(全6272区画)も整備し、2017年度に現行施設での整備を完了した。

 立体墓地は近年申込者が増加しており、特に合葬納骨壇の申込者は顕著に増加。普通納骨壇も含め立体墓地の区画数は年々減少している。

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