タクシー運転手ら助産師迎え講習 妊産婦の対応学ぶ 糸魚川市

 糸魚川市は7日、市役所で、市内のタクシー運転手らを対象に、妊婦の送迎時における知識や接遇、緊急時対応などを学ぶ講習会を開いた。

妊婦が安心して乗車利用できるようにタクシー運転手が講習会に参加し模擬体験(糸魚川市役所内)

 同市では糸魚川総合病院の分娩(ぶんべん)休止に伴い、陣痛などで受診が必要な時に市外の産科医療機関までタクシーを利用した場合の乗車費用の助成を今月から始めている。
 妊婦が安心、安全に利用できるようにと、県助産師会の協力を得て講習会を実施。市内タクシー会社2社から運転手、配車係の計5人が参加した。
 助産師会の石黒佳子さんが講師を務め、妊産婦の心身の特徴や分娩経過を教え、基礎知識を踏まえた上で妊婦への対応の仕方や走行中の注意点などを伝えた。「妊婦さんは不安な気持ちがいっぱい。思いやりの対応や優しい声掛けをしていただけると安心できる。お母さんたちを励まし、見守ってあげてほしい」と呼び掛けた。助産師会で作った配車時や乗務員対応マニュアルを配布し、各社でのマニュアル作成も提案した。
 参加した運転手は迎えから乗車、医療機関に到着するまでのサポートを模擬体験。妊婦のペースに合わせて歩き、車内でも体調に気を配りながらの運転を心掛けた。糸魚川タクシーの齋藤ゆり子さん(56)は「ゆっくりね。楽にしてて」「心配なことあったら言ってね」と声を掛けて接した。「私たちも緊張するけど、妊婦さんも不安だと思う。不安を与えないよう、安心して送り届けられるようにしたい」と話した。
 糸魚川市出産時交通費助成事業の問い合わせは市こども課こども支援室親子健康係(電025・552・1511)へ。

© 株式会社上越タイムス社