真のダンディは孤独を愛す オトナのおひとり様レベル診断

「自己とは自分にとって最良の友人である」。これは、古代ギリシアの哲学者・アリストテレスが残した言葉だ。近年巷でよく聞くようになった“一人〇〇”。みなさんは、どこまで一人行動できますか? ブルーダー編集部が勝手に格付けした「大人のおひとり様レベル」で診断してみてほしい。

★☆☆☆☆ 映画、練習場、喫茶店、サウナ

映画館や練習場などは、そもそも一人客が少なくない。むしろ、話し相手がいない分、作品や練習に没頭することができる。大人になると気軽に人前で泣けなくなるものだが、一人ならその心配は不要だ。映画に感動して涙があふれてきたら、胸元のハンカチで静かに拭えばいい。

一人でよくゴルフの練習場に行くという人からは、「仕事が終わって21時くらいから2時間ほど練習する。夜中の食事は不健康なので、夕飯は抜きで(笑)。ラウンドでいい結果を出したくて、没頭する」という話を聞いたこともある。努力する姿を人に見せない、というのもある種“オトナの美学”かも。

★★☆☆☆ 旅行(国内)、サーフィン、ツアー観戦、ワイナリー

コロナ禍において増えたものの一つとして挙げられるのが、一人旅の需要だ。自由なおひとり様は訪れる場所や食事、宿、時間配分などを好きなように決めることができる。同伴者のいる旅行では、何事も自分の思うまま、というわけにはいかない。

また、基本的には単独行動が苦手でも、好きなことのためであれば勇気を出せる、という人もこのレベルに格付けされる。冬の海にサーフボードを持って行けば、冷たい波の上を滑る同志たちに出会えるだろう。

★★★☆☆ ラウンド、キャンプ、旅行(海外)、クラシックコンサート

レベル3まで来ると、“一人”が周囲から目立つようになる。同伴者とのコミュニケーションはゴルフの魅力の一つであるが、一人ラウンドにはそれとは違った味がある。周囲の目を意識せずに、淡々と自分のプレーと向き合うことができるのだ。スキルアップを図るプレーヤーには最適な環境といえる。

キャンプは“ソロキャンパー”という言葉もあるほどおひとり様が一般的となっているが、長時間の沈黙に耐えられないという人も少なくない。体験者に話を聞くと、「普段一人でご飯を食べると寂しいなと思ったりもしますが、私の場合、キャンプ中だとそれが気にならない。焚火もボーっと見ていられる」とのことだった。

★★★★☆ 高級レストラン、ジャズバー、クルーズ旅、フェス

非日常の代表格である高級レストランでの食事は、一人で行くにはかなりハードルが高いものの一つだ。周りが家族連れや恋人同士ばかりというだけでなく、その場にふさわしい振る舞いを、一人でクリアしていかねばならない。緊張のあまりワインをこぼしたりしたら大変だ。あなたの隣には、フォローしてくれる人がいないのだから。

しかし、難易度が高い分、このレベルの“一人〇〇”ができれば、周囲から一目置かれるだろう。若々しい好奇心を持って、「ちょっと冒険してみる」のもアリかもしれない。

★★★★★★★★★★ 花見、スイーツバイキング、テーマパーク、滝行

レベル10にもなると、その強靭な精神力は“鋼(はがね)”を飛び越え、孤独の象徴たる“狼(おおかみ)”と肩を並べる。ここでいう「花見」は、人波に混ざって桜並木の下を歩くような生易しいものではない。ガヤガヤと花見客でにぎわう公園にシートを敷き、持参した食事を楽しみながら、花鳥風月をしっとりと愛でる…。そのときに何を思うかは、体験した人にしかわからない神秘だ。

また、女子中高生に大人気のスイーツバイキングに一人で行った経験があるという40代男性に、そのときの心境を聞いた。「ダイエットで禁欲を続けていた自分へのご褒美として。やっぱり、おっさんが一人で黙々とケーキを食べるのは居心地が悪かったです。でもそれより、欲望を満たせた充実感のほう上だった。せっかくなので写メも撮りました」。孤高にも見えるおひとり様の裏にあったのは、シンプルな欲求(食欲)だった。

Illustration : Masashi Ashikari

Edit & Text : Hiroto Goda

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