カレーハウス神戸屋 ~ 最後のひと口まで衣サクサクのカツカレーが人気!1980年から続く老舗カレー屋

JR倉敷駅南側に位置する倉敷センター街商店街に、老舗カレー店の「カレーハウス神戸屋」があります。

地元民が行きかう商店街で、倉敷美観地区へ向かう観光客も通るひと通りの多い場所です。

レンガ造りのレトロさ感じるカレー店は、年中客が途絶えない人気店。

通い詰めるファンが多いものの、店の情報はほとんどインターネット上に出ていませんでした。

店名の由来やこだわりなど、インタビューを踏まえ紹介します。

カレーハウス神戸屋について

倉敷えびす通商店街の歩道と車道が交わる角にあるカレーハウス神戸屋。

地元民だけでなく、観光客も訪れる名店です。

店のようす

店はレンガ造りでレトロな雰囲気が漂います。

内部は入り口から奥のキッチンへと続き、縦に長い構造の店です。

入り口を入って右手にテーブル席、左手がカウンター席に。

写真提供:カレーハウス神戸屋

カウンター席は道路に面していますが、すりガラスなので外からは見えません。

ひとり客はもちろん、明るい席なので料理をきれいに撮りたいひとにもおすすめです。

かつては精肉店だった

現在は、カレー屋ですが、広島市から倉敷市へ引っ越してきた初代(現三代目の祖父母にあたる)が精肉店「肉の神戸屋」として1936年に開業しました。

肉やコロッケが飛ぶように売れるほど、人気だったとか。

過去に移店はしたものの、創業から倉敷駅周辺でずっと営業しているそうです。

カレー屋になったのは1980年、二代目(現三代目の父にあたる)の店長のときでした。

精肉店からカレー屋に転身して、40年余り。

今ではすっかり倉敷の地元から愛される老舗カレー店となりました。

カレーハウス神戸屋のメニューを食べました

メニューが豊富なカレーハウス神戸屋。

どれにするか迷いますが、定番の人気メニューを食べました。

メニュー

ポークカツカレー

一番人気はポークカツカレーです。

メニュー表にも堂々と「一番人気」とうたわれています。

三元豚がどどーんと載ったインパクトもあるカレーです。

お皿の半分以上を埋め尽くすポークカツは、食べ応え抜群。

なかなかの分厚さがあるので、肉をたっぷり食べたいひとの想いをしっかりと受けとめてくれます。

注文を受けてからパン粉をつけて揚げるので、最後のひと口まで衣がサックサクです。

少しピリッとするルーで、さらさらとしています。

スパイスをたっぷり使ったルーとは違い、昔懐かしいカレーです。

ハヤシライス

カレー屋なのに?と思ってしまいますが、ハヤシライスも大変人気

ハヤシライスを目当てに通うひともいるのだとか。

ハッシュドビーフがこんなにあっていいのかと思うほど、たっぷり入っています。

ルーがしっかり絡む絶妙な薄さと柔らかさです。

トマトと玉ねぎ由来の甘さをしっかりと感じます。

酸味もあるので、さっぱり。

これは大人も子どもも好きそうな味です。

神戸屋のいちごみるくセーキ

昔ながらの喫茶店にあるイメージのミルクセーキ。

神戸屋のミルクセーキも昔からあるかと思いきや、コロナ禍で生まれた新しいメニューです。

さくらんぼが載った「神戸屋のミルクセーキ」が気になりつつ、よりリッチな「神戸屋のいちごみるくセーキ」を注文しました。

ざくざくと荒めのミルクセーキの氷にイチゴソースがたっぷり。

トップにはフローズンストロベリーがあります。

神戸屋のいちごみるくセーキは年中提供されています

しっかりとミルクの風味がするので、全体的にまろやかな味わい。

辛口のカレーにぴったりだったかも、と思いながら食べ進めました。

JR倉敷駅からのアクセスもよく、地元民や観光客からも愛されるカレー屋、カレーハウス神戸屋。

三代目店長の河野こうの)さんに話を聞きました。

店長の河野さんへインタビュー

商店街の一角にある、レンガ造りのレトロな雰囲気のあるカレーハウス神戸屋。

メニューが豊富で男性、女性、大人から子どもまで愛されるカレーを提供しています。

三代目店長の河野(こうの)さんにインタビューをしました。

店名の由来

──店名に「神戸屋」とありますが、由来を教えてください。

河野(敬称略)──

初代が広島市から倉敷へ移って、1936年に精肉店の「肉の神戸屋」を始めました。

当時はあまり店がなかったようなので、繁盛したそうです。

神戸屋をつけたのは、恐らく神戸牛にあやかろうとしたんでしょうね。

神戸って聞くと、お肉のイメージがあるじゃないですか。

皿には創業年の1936の文字が

カレー屋にするときも「神戸屋」を引き継ぎました。

ただ、二代目の父がなぜカレー屋にしたのかなどは、もうわからないんです。

肉へのこだわり

──かつては精肉店だったので、肉にはこだわっていますか?

河野──

僕が肉を切っていて、下処理もていねいにしているんですよ。

注文を受けてから肉にパン粉をつけて揚げています。

揚げるコツは揚げ過ぎないことですね。

余熱で火をとおして2、3分置くので、昔より作るのに時間がかかるようになりました。

チキンカツカレー

エビフライのエビは、注文後に皮をむいているんですよ。

創業から大切にしている味と新しく誕生したメニュー

──ドレッシングも人気なんですか?

河野──

和風しょうゆドレッシングも店で作っていて、自家製です。

二代目がカレー屋を始める前に、倉敷の一番街と旧ダイエーがあった近くで居酒屋パブのような店を並行して経営していたんです。

その居酒屋パブでサラダを出していて、このドレッシングを使っていました。

倉敷の醤油が使われています

今もパブ時代通っていたお客様がカレーハウス神戸屋に来てくださっています。

──新しく誕生したメニューもあるんですか?

河野──

ミルクセーキやクリームソーダが新しいメニューです。

コロナ禍で、なにかしないと!と思って作りました。

ミルクセーキとクリームソーダは午後2時からの提供です

小さなことからコツコツ挑戦して、新しいメニューを提供しようと。

けっこう人気なんですよ。

店に対する想い

──お客さんにとってどのような店でありたいですか?

河野──

店を大きく変えようとは思っていません。

なるべくお客様に目が届くようにしたいと思っています。

県外に出た地元のかたが倉敷へ戻って来たときに、変わらずにある店でありたいです。

お客様ひとりひとりを大事にする積み重ねが大切ですよね。

それがリピーターにつながりますし。

ポップや看板などは河野さんの手作り。経費を抑えて料金を上げない努力をしています

おわりに

筆者は取材する前にも何度かカレーハウス神戸屋を訪れていましたが、店名の由来や歴史など多くが謎に包まれていました。

取材をとおして、長年の謎が解き明かされる感覚を味わうことに。

カレー屋になって約40年、ずっと愛されるには大変な努力が必要だったと思います。

多くのファンから支持される味を守りつつ、新しいメニューも生み出すカレーハウス神戸屋。

気になったかたは、カレーもハヤシライスも食べに行ってみてくださいね。

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