座間市の戦争遺跡よみがえる 写真カラー化、高座海軍工廠の80点を展示 26日まで

訪れた児童に台湾少年工の生活を説明する鈴木代表(左)=座間市緑ケ丘のハーモニーホール座間

 太平洋戦争末期に座間市を中心に大和市や綾瀬市、海老名市にまたがる一帯に建設され、最新戦闘機「雷電」の生産拠点となった高座海軍工廠(こうしょう)。当時の写真約80点をデジタル技術でカラー化した企画展が21日、ハーモニーホール座間(座間市緑ケ丘)のギャラリーで始まった。市教育委員会などの主催。26日まで、入場無料。

 「よみがえる座間の歴史文化」と題し、市などが収集した歴史的資料をカラー化する企画展は2回目。今回はロシアによるウクライナ侵攻が長期化する中、平和の尊さや戦争の愚かさを改めて考えるきっかけにしてほしいと、市内に残る戦争遺跡を取り上げた。

 展示は「高座工廠の建設」「従業員と台湾少年工」「地下工場への疎開」「全国の軍需工場に派遣された台湾少年工」「敗戦から帰台まで」の五つのコーナーに分かれている。1944年4月の同工廠の開設前後から、戦局の悪化に伴って厳しさを増す作業環境や寄宿舎の生活ぶりなどを紹介している。

 厚木基地(大和、綾瀬市)の隣接地に迷彩が施された工場群が立ち並ぶ米軍撮影の航空写真。約8400人が来日した台湾少年工の大半は13~15歳で、その表情に幼さが残る集合写真など、カラー化によってその様子が一層鮮明に浮かび上がった。

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