【中医協】医薬品の供給不安で、薬局の備蓄品目数が増加/日薬・森副会長「入手困難な状況がさらに悪化」

【2023.03.22配信】厚生労働省は3月22日、中央社会保険医療協議会(中医協) 「診療報酬改定結果検証部会」と「総会」を開き、「後発医薬品の使用促進策の影響及び実施状況調査報告書(案)」について議論された。この中で、日本薬剤師会副会長の森昌平氏は医薬品の供給問題を受けて、薬局での労力負荷や備蓄品目増加など、厳しい状況を訴えた。

日薬・森氏は、今回の後発医薬品の調査に関連して、医薬品の供給問題をめぐる薬局の厳しい状況を訴えた。

森氏は過日、日本製薬団体連合会(日薬連)が公表した調査で、出荷停止や限定出荷状況となっている後発医薬品が前年よりも増加し約3800品目、比率で4割を超えているとの結果が出たことを紹介。「現場では入手困難な状況がさらに悪化している」と述べた。

さらに、今回の中医協における調査報告書においても、「最近の医薬品の納入状況」では、「医薬品の納品までに時間がかかる」の回答が81.7%になっていることを指摘。加えて61.5%の薬局で「卸に注文も受け付けてもらえないことがある」との回答があったことに触れた。加えて、前年に比べて「他の薬局から借りて対応する」「後日患者さんに届ける」ことが大幅に増加していることも説明した。
「これまで採用していたメーカーのものが入手できず、同一成分の他のメーカーのものが入手できる時には購入して対応していますが、そのために状況調査概要の8枚目にあるように備蓄品目数が増加している。このように何とか患者さんが困らないように、現場では最大限の努力をしているが、限定出荷・回収等が引き続き、続いており日々医薬品の在庫管理、手配、患者への説明等に追われており先が見えないような状況だ。個々の薬局の対応では限界があり、地域の薬局で協力して何とか対応しているが、かなり厳しい状況。国としてもこの状況を解決するために、短期的な対応、中期的な対応に分けて、しっかりと対応していただきたい」(森氏)と述べた。

薬局における後発医薬品の備蓄品目数は令和3年度調査では平均444.3品目だったものが、令和4年11月時点で516.3品目まで上昇

「後発医薬品の使用促進策の影響及び実施状況調査報告書(案)」によると、薬局における後発医薬品の備蓄品目数は令和3年度調査では平均444.3品目だったものが、令和4年11月時点で516.3品目まで上昇している。

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