裁判所で勾留質問を受けていた容疑者に書記官が暴言を繰り返したなどとして、神奈川県弁護士会は23日、横浜地裁に対し、刑事手続きで個人の尊厳を侵害する不適切な発言をしないよう勧告したと発表した。勧告は9日付。
勧告書によると、小田原簡易裁判所で2021年1月7日に行われた勾留質問の手続きで、外国籍の女性容疑者が「話したくない」と大声を上げてペンを足元にたたきつけた際、担当書記官が「いい気になっているんじゃないよ」と発言。女性が「お前を殺しに行く」と言うと、書記官が「返り討ちにしてやる」などと応じた。地裁は今年2月、書記官を減給10分の1(1カ月)の懲戒処分とした。
勧告書は「適正な手続きが保障されるべき勾留質問の場で、不利益な扱いを受けることを容疑者側に心配させる発言」などと指摘した。