倉敷美観地区の端にマスキングテープをメインに取り扱っている紙雑貨屋さんがあります。
紙雑貨屋の如竹堂(にょちくどう)では、約850種類のマスキングテープを取り扱っています。
倉敷はマスキングテープ発祥の地。
倉敷美観地区に観光に来た人々がマスキングテープを求めて如竹堂を目指してきます。
如竹堂をめがけてきた人々はマスキングテープを購入した後、いろいろなお店に立ち寄りながらまた中心地に戻っていきます。
倉敷美観地区には中心地以外にも魅力的なお店が増えてきて、人の流れは中心地から外側に。
如竹堂もまた倉敷美観地区の人の流れを変えたお店の一つです。
如竹堂にはマスキングテープの他にも、便せんや紙風船、キャンドルなど暮らしに彩りを添えてくれる雑貨がたくさんあり、見るだけでも楽しい。
スタッフの皆さんのマスキングテープに対する思いや、無料のワークショップ体験についても紹介します。
表具屋から紙雑貨屋へ
倉敷駅から商店街を抜けてまっすぐ、阿智神社を過ぎてさらに進んでいくと、倉敷美観地区の町並みの一番奥に如竹堂があります。
天井にはいろいろな紙風船が飾り付けられていて、店内にはさまざまなデザインのマスキングテープが並んでいます。
表具屋として倉敷美観地区に1918年創業。
カモ井加工紙のマスキングテープ「mt(エムティー)」が世間に広まり始めたころの、2009年に紙雑貨のお店に移行しました。
如竹堂で取扱いしているおもなマスキングテープは以下のとおり。
- カモ井加工紙 mt(エムティー)
- 倉敷意匠計画室
- 倉敷町家テープ制作委員会
なかでも倉敷町家テープ制作委員会は、有志のデザイナーの集まりで、オリジナルのマスキングテープや便せんを制作しています。
マスキングテープと紙雑貨
如竹堂で取り扱っているマスキングテープと便せん、紙雑貨について紹介します。
マスキングテープ
約850種類のマスキングテープがあります。
倉敷オリジナル限定販売のマスキングテープはお土産にも。
銀泊、金泊を押したマスキングテープは、高級感と和のテイストも加わり、特別感があります。
シンプルな模様のマスキングテープはメモや手帳など幅広く使えて、とても便利です。
便せん
倉敷町家テープ制作委員会の便せんは、くすっと笑ってしまうような、かわいらしいひよこや桃太郎など。
たまには手紙も書いてみようかな、という気持ちになります。
紙雑貨
入り口を入ってすぐの右手には香りのいいキャンドルや、紙雑貨が置かれています。
マスキングテープの無料体験
如竹堂ではマスキングテープを使った缶バッチ、うちわ、手提げ袋などにデコレーションをする無料体験をおこなっています。
マスキングテープの無料体験コーナーの受付時間は午前10時から午後5時まで。
体験する人数とお好きな素材を決めてレジにて申し込みをします。(電話での受付はおこなっていません)
体験は一日一回まで。
平日は紙袋、うちわ、土日祝日は缶バッチ、手つきの段ボール箱、マスキングテープのコレクションボックスにマスキングテープを貼ってデコレーションができます。
このなかから缶バッチ制作の無料体験をしました。
無料体験を希望するお客さんも多いため、10分間の時間制限があります。
しっかりと手指消毒をおこなってから始めましょう。
机の上には無料体験用の、いろいろな種類のマスキングテープがあり、手に取ってみるだけでも楽しい。
丸い円の厚紙に、マスキングテープを自由に貼っていきます。
余ったテープの端は、台紙にそってきれいに切ります。
マスキングテープの端を折り込んだり、何枚も重ねて貼ったりすると缶バッチのプレスがうまくいかないとか。
猫のデザインのマスキングテープを選んで貼ります。
丸い円の台紙の上に上手く収まらず、なかなか難しい。
出来上がったマスキングテープを貼った台紙を、缶バッチ用の丸い金属の板の上に置き、ビニールのフィルムをのせて、缶バッチ用のプレス機でプレスします。
夢中で制作し、10分間はあっというまでした。
自分オリジナルの缶バッチが出来上がりました。
マスキングテープや便せん、紙雑貨やキャンドルなど生活に彩りを添える商品を、多数取り扱っている如竹堂。
スタッフさんに、如竹堂についてお話を聞きました。
スタッフに如竹堂についてインタビュー
──「如竹堂」の名前の由来を教えてください。
スタッフ──
昔、如竹堂の庭には竹が植えてありました。
堂は、お店の建物の大きさを表す単位です。
如しは、のようだと同等、類似の意を表します。
竹が植えられているお店で、竹のように真っすぐ伸びるようにとの意味が込められています。
──専属のデザイナーさんはいますか?
スタッフ──
専属のデザイナーはとくにいないのですが、倉敷町屋テープ制作委員会は有志のデザイナーの集まりです。
ここでしか購入できないオリジナルの倉敷デザインのマスキングテープを取り扱っております。
マスキングテープのデコレーション無料体験
──マスキングテープのデコレーション無料体験は、お客さんにとても喜ばれていますね。大人でも子どもでも体験できますか?
スタッフ──
とても好評です。
大人のかたも子どもさんも一緒に、マスキングテープでデコレーションできる楽しい体験になっています。
始めたらなかなか止まらないと思いますが、ほかのお客様もされるので体験のお時間は10分間で、貼っていただいています。
──缶バッチの制作の体験もされているんですか?
スタッフ──
缶バッチの体験もしています。
大きさは8cmぐらいで、台紙にマスキングテープを貼っていただいて缶バッチのプレス機で作ります。
マスキングテープを求めて如竹堂に来る人々の流れ
──倉敷はマスキングテープ発祥の地ということで、県外からのお客さんも多いと思いますが。
スタッフ──
新型コロナウイルス感染症が落ち着いて来るにつれて、県外のお客様も増えてきています。
外国人のお客様も少しずつ戻ってきていて、中国や台湾などのアジアのお客様が多いですね。
──観光客はマスキングテープを求めて、如竹堂さんをめがけて来られるんですね。
スタッフ──
このお店は倉敷美観地区の、端っこのほぼ終わりのほうにあるにもかかわらず、お客様がわざわざここまで足を運んでくださっています。
うちを目当てに来てくださってるかたがおられて、本当にうれしいです。
人の流れが前よりだいぶ変わりました。
スタッフおすすめのマスキングテープや紙雑貨は?
──スタッフおすすめのマスキングテープはありますか?
スタッフ──
ここのお店限定のテープになるんですけれども、やっぱり岡山といえば桃太郎テープ、他にも美観地区の建物やいろいろなお店のデザインがあしらわれた町家テープというものがありまして、おすすめですね。
あと箔押しテープ。
特殊な加工がしてあるマスキングテープで、金箔、銀箔が貼ってあります。
箔押しテープのような特殊加工のテープは値段が高くて、小さいものでも280円〜300円(税別)。
マスキングテープも最初は無地から次に柄物、そして特殊な加工がされたものへと、種類も増えていっています。
──マスキングテープといえば如竹堂さんですが、取り扱いしているテープは何種類くらいあるんですか?
スタッフ──
増えたり減ったりはしているのですが、だいたい850種類以上はありますね。
これからカモ井加工紙さんの新しい商品が入ってきますので、にぎわってくると思います。
──マスキングテープ以外のおすすめの雑貨はありますか?
スタッフ──
実は限定の便せんも置いてまして。
たとえば桃太郎などマスキングテープのデザインが入ってある便せんだったり、町家もありますし、ひよこだったり、昔話だったり。
このように、マスキングテープに使われているデザインの便せんがあります。
便せんになると、またマスキングテープとは違った風に見えます。
それぞれ個性があっておもしろいです。
如竹堂のこれからについて
──今後、何か企画されていることがありますか?
スタッフ──
大きなことをしようというのは無いのですが、いまやっとお客様が戻ってきました。
これから新しい商品も作っていきたいですし、お店を良くしていきたい。
みんなで話し合ってお店を盛り上げていきたいです。
おわりに
取材の日はあいにくの雨。紙に水気は大敵です。
紙雑貨屋の取材の日なのに、と思いながらお店に向かいます。
しばらく雨の倉敷美観地区の情緒を楽しみながら歩いていくと如竹堂が見えました。
お店の中には暖かい色の明かりが灯っていて、雨の中とても雰囲気があります。
店内ではマスキングテープの数に圧倒され、美しく整列したテープに目が奪われました。
多くのお客さんが如竹堂にマスキングテープを求めてくるわけがわかります。
「マスキングテープや紙雑貨を、楽しそうに見て下さるお客様を見て、幸せな気持ちになります」と、スタッフさん。
取材が終わるころには店内はお客さんでいっぱい。
マスキングテープを買いに来ていた子どもさんが、一緒に来ていたお父さんに「ここは楽しすぎる!」と伝えていました。
ほんとうにそう思います。
大人も楽しい。時間を作ってまた来たい。
今度はゆっくり訪れて、自分のお気に入りのマスキングテープを見つけたいと思います。