地域おこし協力隊員の65%が活動地等に定住

 都市地域から過疎地域など条件不利地域に住民票を異動して生活拠点を移した人を地方公共団体が地域おこし協力隊員として委嘱し、地域おこし支援や農林水産業への従事など「地域協力活動」を行い、定住を図る「地域おこし協力隊」に関する昨年度の状況調査で、隊員数が6447人、受け入れ自治体が1118団体に上ったことが分かった。

 受け入れた自治体には隊員1人あたり年間最大480万円の特別交付税措置がとられている。受入れの最も多い道府県は北海道で943人。次いで長野県421人、福島県281人、高知県270人、新潟県253人。

 隊員は20代が最も多く34.3%、次いで30代の34.1%、40代19.7%。隊員の任期は1年~3年で、昨年3月末までに任期が終わった隊員の定住状況調査では、任期終了隊員の累計9656人の内、6318人(全体の65.4%)が任期終了後も活動地と同じ市町村内か近隣市町村に定住していた。

 同じ市町村内に定住している5130人に起業、就業を調査した結果では2174人(全体の42.4%)が起業。1970人(38.4%)が就業していた。593人は農業や林業、畜産業、漁業・水産業に(11.6%)57人(1.1%)は事業を継承していた。

 起業者の業では古民家カフェや農家レストランなど飲食サービス業が317人、ゲストハウス、農家民宿など宿泊業235人、デザイナー・写真家・映像撮影者など芸術系に213人、パン屋やピザの移動販売、農作物の通販など小売業に193人、シカやイノシシの食肉加工など6次産業に128人、ツアー案内など観光業に127人、集落支援や地域のブランド作り支援のいわゆるまちづくり支援業に96人などだった。起業者が10年後、事業を継続・拡大しているのか、廃業に追い込まれたのか、10年後の調査も必要で、そのノウハウにも関心が持たれる。(編集担当:森高龍二)

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