日本初“内密出産”受け入れの熊本・慈恵病院。「命をつなぎたい」病院の苦悩と母子の命

KAB熊本朝日放送は、4月9日に自社制作のドキュメント番組「内密である理由~ひとつだけの命の現場から~」(午後4:55、熊本ローカル)を放送する。

熊本市西区にある慈恵病院。熊本では産院として知られているが、全国的には2007年に日本初の“赤ちゃんポスト”となる「こうのとりのゆりかご」を設置したことでも有名である。

19年、医院は日本初の“内密出産”受け入れを表明した。内密出産とは、匿名を望む女性が病院にのみ身元を明かして出産するという仕組みのこと。このことは「こうのとりのゆりかご」同様に全国的に注目された。そして、21年12月。とうとう日本初の「内密出産」制度を利用し、1人の赤ん坊が生まれた。

設備が整った医療機関で安全な出産を――。そんな思いから、慈恵病院は内密出産の受け入れに踏み切ったが、法律の後ろ盾はない。国からのガイドラインは示されたものの課題は多く、いまだに運用は手探りの状態。だが、この制度を使って、すでに9人の尊い命が誕生している。

番組では、そんな病院の1年3カ月に密着。予期せぬ妊娠に直面し、誰にも相談できず、病院を頼るしかない女性たちのSOSは絶えない。病院側の苦悩、また事情を抱え病院に行き着く母子の命を見つめる。

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