大相撲の二所ノ関部屋入りする中村泰輝選手(22、能生中―海洋高―日本体育大卒、石川県出身)は6日の入門会見で、詰め掛けた報道機関に対し、自身のしこ名「大の里(おおのさと)」や中高6年間過ごした糸魚川への思いなどを率直に語った。
―二所ノ関部屋を選んだ理由、決め手は。
いろいろな(相撲)部屋を見て、いろいろな人の話を聞いた中で、(自身が)相撲に集中できる環境がここだと思った。自分はこれまで、「ここだ」と思うところで相撲をしてきた。新潟に来るのもそうだった。
―二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)の第一印象は。
静かな方だなと思ったが、稽古になったらたくさん教えていただける。自分が1聞いたら、5も10も教えていただける。
―初めてしこ名を聞いたときの感想は。
本名力士でいきたいという願望はあったが、昔いた力士、大関の名を頂けることに心が揺らいだ。うれしかった。名前負けしないように頑張りたい。
―どこまで(番付を)上がりたいか。
一日も早く関取になって、恩返ししたいというのが一番。
―中高6年間過ごした糸魚川(母校の海洋高)に戻ってきての入門会見だが、心境は。
こういう会を開いていただいて、本当にありがたい。注目されていると感じる。僕が強くなった、育ててもらった新潟でこうやってお祝いしてもらえるのは、本当にうれしいこと。「明日から頑張ろう」という気持ちになる。
―海洋高や能生中で過ごした時間は、今につながっているか。
中学1年生から新潟に来たが、全国では目立つ存在ではなかった。この6年間がなかったら、今こうして大勢の目の前で記者会見する存在にもなっていない。田海(哲也、海洋高相撲部総監督、県相撲連盟理事長)先生に育てていただいた。この6年間があるから、今があると思っている。
◇
二所ノ関親方 自分より大きい人はあまり見ないが、初めて見た時に光る物、伸びやかさを感じた。非常に稽古熱心で意欲的。稽古を持続できる体がある。突き押しは今しかできない。これからつまらない、つらい稽古に耐えていくと地力、馬力が増してくる。しっかりと後押しし、鍛えていきたい。
◇
【中村泰輝(なかむら・だいき)】石川県津幡町出身。小学1年時にアマチュア相撲経験がある父の影響で相撲を始める。中学から能生に来て、能生中で都道府県大会3位、白鵬杯で県勢初優勝。海洋高で十和田大会優勝、全国高校総体個人戦準優勝。日本体育大では1年時に全国学生選手権制覇、4年時に主将となり、国体と全日本選手権連覇など数々のタイトルを獲得した。193センチ、175キロ。