【聞かせて】No.806「岸 美砂子さん・箏を使った授業で日本音楽の魅力を伝える高校教諭」

 箏の師範資格を持つ中村女子高音楽科教諭で、吹奏楽部顧問。教員になりたての20代半ば、「日本の伝統音楽について知識が乏しい」と感じたことがきっかけで、箏の師匠の門をたたいた。以来、「日本音楽の奥深さと美しさに感銘を受けた」と、20年近く経った今も続けている。

 高校の学習指導要領では、「我が国の郷土や伝統音楽の更なる充実」が求められており、音楽の授業では、箏を用いた合奏や、創作活動を年間指導計画に取り入れている。「現代の高校生は、音楽配信サイトなどで個々が音楽を楽しむ姿が印象的だが、静寂の中から生まれる一音の響きに全員が感じ入る姿を見た時は感動した」と話す。

 2022年11月に山口市で初開催された「全日本音楽教育研究会全国大会」では、「箏の音色を探求し日本音楽の魅力を再発見しよう」をテーマに、公開授業も行った。

【プロフィル】1978年防府市生まれ。同志社女子大、大阪教育大大学院修了後、山口県内の公立学校に4年間勤める。2007年に中村女子高へ。吹奏楽部顧問として、中国大会へ6度導いた。箏は筑紫会飛梅司大師範の山野歌奈女、箏演奏家・山野安珠美に師事する。

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