医師確保など申し入れ 糸魚川総合病院産婦人科分娩休止、花角知事へ 国会議員と市議の有志

 糸魚川市竹ケ花の糸魚川総合病院で本年度から産婦人科の分娩(ぶんべん)が休止している事態を受け、国会議員と同市議の有志6人が11日、県庁を訪れ、花角英世知事に対し「産婦人科医師の確保及び分娩継続に関する申し入れ」を行った。
 6人は立憲民主党の梅谷守衆院議員と田中立一、新保峰孝、渡辺栄一、古畑浩一、田原洋子市議。申し入れでは、長年にわたり産婦人科診療を支えてきた医師が昨年度末に退職、同病院は引き続き後継医師の確保に努力しているが、めどは立っていないと説明。市民の強い不安と懸念の声、糸魚川の人口減少や地理的要因、豪雪などによる交通分断の可能性、増加するハイリスク出産への対応などを指摘し、「産婦人科医療が地域から失われる事態は、可能な限り避けなければならない」と配慮を求めた。

花角知事に「産婦人科医師の確保及び分娩継続に関する申し入れ」を行う梅谷衆院議員と市議5人

 これに対し花角知事は「状況は十分承知しているし、県も糸魚川市も手をこまねいているわけではない。産科の医療が継続できるように医師の確保へ奔走してきたことは事実。残念ながら、ただちに診療していただける医師が見つかっていない」と報告した。
 併せて花角知事は医師の働き方改革、分娩数が減少する中での良質な医師育成のためには「一定の集中配置が必要」と理解を求めた。その上で「皆さんの切実な思いは十分分かる。引き続き努力していく」と応じた。
 面談を終えた梅谷衆院議員は「糸魚川以外でも問題があり、(県の)ジレンマを感じたが、その上で糸魚川が今、厳しい状況にある。どうか少しでも目を向けてほしいという思いを、皆さんと一緒につないでいきたい」と所感。「私自身も個人的なつながりも含め、産婦人科医探しに動いているところ。そういったことが、現実にどこかで実を結べば」と期待を話した。

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