自作爆発物テロ防ぐ 上越市で対応訓練 県警

 新潟市でG7財務相・中央銀行総裁会議(5月11~13日)が開かれるのに向け、自作の爆発物を使ったテロを防ぐため、原料となる化学物質を購入しようとする不審者への対応訓練が12日、上越市寺町のひらせいホームセンター新井店で行われた。

不審な男役の警察官が「尿素100キロ欲しい。肥料に使うに決まってるだろ」と言いながら店員に詰め寄る

 訓練は、不審な男が爆発物の原料となり得る尿素肥料や劇物を大量に購入しようとしたが、店員に断られ、車で立ち去るまでをロールプレイング方式で行った。店員は「尿素は在庫がない」「強力な農薬は販売していない」と男の注文を断り、店長らと連携して服装や車のナンバーを警察に通報した。  
 化学物質を使った爆発物については昨年7月、奈良市で演説中の安倍晋三元首相が男に銃撃されて死亡した際、使われた爆発物の原料がインターネットで調達した化学物質とみられている。警察庁は農林水産省を通して肥料や農薬を販売する事業者に、購入時の本人確認や不審な動向がある場合は警察に通報するよう依頼。警戒を強めている。
 県警本部の相羽崇宏・外事課長補佐は「警察だけでテロ対策ができるものではない。民間の協力は不可欠だ」と話した。

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