【電子処方箋】医療機関における導入意向8.3%/日本保険薬局協会調査/好事例の共有で推進したい考え

【2023.04.13配信】日本保険薬局協会は4月13日に定例会見を開き、「電子処方箋等に関する調査報告書」を公表した。それによると、電子処方箋の受付を開始している薬局は10.7%で、計画としては74.3%の企業において2024年3月末までに順次運用を開始するという結果だった。一方、薬局から医療機関に導入意向を聞いた事例(n=56社、5921薬局)では「電子処方箋発行の予定、意向がある医療機関」の比率の回答平均値は8.3%という低い数字だった。協会では今後、好事例を蓄積、共有することで業界全体への働きかけが重要となってくると指摘した。

調査は協会正会員の企業を対象に実施。1社1回答とした。
回答期間は2023年3月7日(火)~ 2023年3月31日(金)。
回答数は101社(10,590薬局)、回答率は57.7%。
協会のデジタル推進委員会が実施した。

結果概要によると、オンライン資格確認システムが稼働している薬局は95.5%。電子処方箋の受付を開始している薬局は10.7%、計画としては74.3%の企業において2024年3月末までに順次運用を開始すると回答された。

また、課題としては「導入・運用コスト」「システム改修及び設置作業」「HPKIカードの申請と運用」「医療機関の意向」「患者の理解」「業務フローの複雑化」「システム、NW障害時の対応」の順で回答が多かった。中でも「医療機関の意向」に関して、電子処方箋発行の予定、意向がある医療機関は8.3%という結果であり、今後、好事例の蓄積、共有等、業界全体への働きかけが重要となってくると考えられるとした。

調査時点においては、電子処方箋の受付実績があるのは19薬局と限定的だったものの、情報連携の質と効率性の向上に寄与する好事例も報告されているとして、協会では今後の普及に期待を寄せる。

協会は好事例については、自由記述の内容を紹介。
「医師が処方設計の際に重複チェックを確認し、重複であってもその必要性があって処方している旨を、医師コメントに記載しているケースがあり、疑義照会が回避できた事例があった」との回答を紹介した。
こうした事例は医療連携における質の向上や効率化に資するもの(協会)として、今後、こうした好事例を多く積み上げ、共有していきたいと方針を示した。

導入へ向けた施策では、すでに多くの企業において従業員への説明やマニュアルの改定等、運用体制整備が進められていた。

対応施策として、応需医療機関の意向を聞いている薬局企業(n=56社、5921薬局)に「電子処方箋発行の予定、意向がある医療機関のおおよそのパーセントを教えてください」との質問を聞いたところ、回答の平均値は8.3%だった。

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