首相の「読み間違い」花粉ばりに大拡散 ハクション議連も復活へ

岸田文雄首相(資料写真)

 岸田文雄首相は14日、多くの国民を悩ませる花粉症への対策の検討を行う関係閣僚会議を開く。同じ目的の通称「ハクション議連」も復活の見通しだ。内閣と国会を挙げての盛り上がりは、首相の「答弁読み間違い」と交流サイト(SNS)で大拡散したのがきっかけだ。

 花粉症対策強化は3日の参院決算委員会において、自民党の山田太郎氏が火付け役となった。「撲滅できれば歴史に名前を残すことができる」との呼び掛けに「もはやわが国の社会問題」と応じた首相。「政府においても関係閣僚会議を開催し、情報共有や効果的な対策の組み合わせに取り組んでいる」と突然、閣僚会議を持ち出した。翌4日の閣議後会見で「関係閣僚」の野村農林水産相は「知らぬ存ぜぬ」と動揺を隠さなかった。

◆謎解くスクープ

 首相が閣僚会議を「開催し取り組んでいる」と過去形で答弁していたことを踏まえ、テレビ朝日が謎を解くスクープを報じた。それによると、花粉症を巡り政府は「関係省庁担当者連絡会議」という役所の担当者レベルの会議を続けてきた。答弁書には過去の実績としての同会議の名があったが、首相はこれを「関係閣僚会議」と読み間違えたとの見立てだ。

 答弁の相手がSNSでの運動のみで全国から50万票以上を集めた山田氏だったことで、「花粉ばりの大拡散」(自民の閣僚経験者)は止められなかった。政府関係者はテレビ朝日の示した見立てについて「肯定も否定もしない」と回答。閣僚会議は「総理が言った以上、やるしかない」と説明している。

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