澄み渡る青空。美しい芝。白球が奏でる音に、歓声が重なり合う。最高峰のプレーに心躍り、熱く盛り上がる場所。メジャーリーグ武者修行の旅でアメリカ中を飛び回り、全30球場を制覇したスポーツアナウンサー福田太郎が、あなたを「夢のボールパーク」にお連れします。MLBスタジアムの世界へ、ようこそ。
虎だらけの野球場
MLBとNPBで同じ名前を持つチームは２つ。サンフランシスコの「ジャイアンツ」と、デトロイトの「タイガース」です。リーグも地区も違うことから、互いにライバルではありませんが、アメリカの伝統球団から「巨人」と「阪神」はチーム名を取ったと言われています。
「タイガース」の本拠地ならでは、まるで虎の穴に入ったような「コメリカ・パーク」だけの世界観があります。表情豊かな「虎たち」と会いに、中地区の旅を続けましょう。
[タイガー タイガー タイガー](
コメリカ・パークへ
早朝５時、クリーブランドを出発。お久しぶりの「アムトラック」で鉄道とバスを乗り継ぎ、デトロイトへと向かいます。
アメリカ中西部ミシガン州にあり、南北は五大湖のエリー湖とヒューロン湖、東はカナダとの国境に面した街。自動車産業が盛んなモーターシティで、日系企業も多くオフィスを構えます。
メインエントランスが、いきなり大きなインパクトをもたらしてくれます。大きなバットのオブジェは、グリップエンドが通常より太めのタイ・カッブさん仕様。招き猫ならぬ、招き虎に出迎えられたら… Comerica Park! Nice to meet you!!!
[虎穴に入らずんば虎子を得ず](
Ballparkの楽しみ方
球場内を歩けば、1910s… 1920s…と、10年ごとにチームのハイライトをまとめたコーナーがあります。タイ・カッブさんは1936年に初めて野球殿堂入りが発表された年、ベーブ・ルースさんらとともにノミネートされた伝説です。
そして、MLB現役選手としては唯一の三冠王経験者、ミゲル・カブレラ選手の功績が讃えるものがズラリ。王様の椅子に座って、ミギーがクラウンを被せてくれるフォトスポットや、「ミギー・マイルストーン」（通算ホームラン・安打数）をカウントするボードも。今年限りでの引退を表明した、生きるレジェンドを、球場全体で盛り上げています。
[王様気分](
1999年までの88年間、本拠地として使われていた「タイガー・スタジアム」で人気だった、タイガーデン（虎の穴）と呼ばれる木製の椅子エリアも復刻。歴史と伝統が受け継がれています。
タイガーメリーゴーランド
コメリカ・パークだけのアミューズメントを楽しみましょう。野球ボールの観覧車、缶の椅子があるテラス… そして、唯一無二！ 虎だけのメリーゴーランドがあります！ ファンを乗せた虎たちが勢いよく、ぐるぐる駆け回ります。目が回りながらも数えたら… 全部で30頭いました！
[虎が１頭、虎が２頭…](
お腹が空いたら、デトロイト名物の「コニードッグ」がおすすめ。たっぷりのチリソースとがかかった、虎たちも大好きな？ とても美味しいホットドッグです。
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福田太郎（ふくだ・たろう）／ 1991年生まれ。HTB北海道テレビ放送アナウンサー。プロ野球の実況中継や、朝の情報番組MCを担当した後、2022年２月から11月まで休職。MLB全30球団・ボールパークを訪ね、世界最高峰のスポーツエンターテイメントを学び、12月に復職。写真：福田太郎
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